<   2019年 02月 ( 4 )   > この月の画像一覧

Posted on:

 

東京入管の給食問題 視察委員会への情報提供

Posted on: 2019年 02月 15日

 以下のとおり、入国者収容所等視察委員会に、東京入管の給食問題について、本日付で情報提供をしました。
 参考 東京入管の「兵糧攻め」のような給食制限に抗議を (2月8日)

***

2019年2月15日
東日本地区入国者収容所等視察委員会 御中

情報提供

 当団体、SYI収容者友人有志一同は、入管施設に収容されている移民・難民の自由と人権の擁護を目的として活動する、任意団体です。

1
 最近、次のような通知が東京入国管理局の収容施設内に掲示され、そのとおりに2月から収容者の給食が制限されていると、複数の収容者から聞いています。

  1. 2月1日から「しょうゆ」と「みそしる」がなくなります。
  2. 1月29日からショッピングリストに「みそしる」がついかされます。ねだんは「204えん」で「10しょく」いりです。
  3. きゅうしょくに「ぎゅうにく」と「ぶたにく」はしようされていません。

 つまり、収容者の給食について、みそ、しょうゆ、豚肉、牛肉を提供しない(または有料化される)という措置がとられました。

 収容者からの聴き取りによれば、みそやしょうゆが提供されない理由は、それらが成分に微量のアルコールを含むからと、東京入管の職員に説明されたそうです。豚肉、牛肉とあわせて考えると、当該の措置は、宗教的理由により特定の人には提供できない食材を一律に提供しないという決定によるものと推察されます。しかしながら、こうした食材を普段とっている人たちにすら提供しないことには、何の合理的な理由も見出せません。

2
 東京入管の当該措置は、収容者の健康維持および人権保障の観点からみて、大きな問題があります。

 もともと入管収容施設の給食はとても粗末です。どの収容者に聞いても、次のように説明します。一食の大半は、炭水化物と、質の悪い油による揚げ物や、素材が悪くてくさい焼き魚などが占めます。野菜は、ほんの一つまみ程度にしか添えられていません。ごみ、髪の毛、害虫など異物が入っていることもあります。インスタント食品の購入はできますが、値段は高めです。しかも東京入管の場合、面会者が食品を差し入れることはできません。

 このような栄養学的も衛生的にも劣悪な食事が、このたびの措置によって、東京入管ではさらに低質になったのです。収容者たちは「まるで兵糧攻めのようだ」「今以上に食事がひどくなることはないだろうと思っていたら、もっとひどくなった」などなど、口々に苦しみや憤りの声をあげています。

 当局は、成人必須カロリー量を満たしていると主張するでしょう。しかし健康と人権の観点に立つなら、ビタミンなど他の栄養価も、少なくとも健康を維持できる程度には摂取できるように考慮するべきです。

3
 予算の観点からも問題点を指摘します。

 収容者の給食一食あたりの平均費用を計算してみます。2017年の東京入管における収容者給食の外注先との契約金額は、1億8672万円でした。同年の東京入管の収容者は、一日平均542.8人なので、平均して、一人一食あたり345.3円が給食に費やされていることになります。この年はまだ高いほうで、同じ方法で計算すると、たとえば2012年は一食あたり247.5円になります。

 注意が必要なのは、給食の外注額には、材料費だけでなく、受注業者の人件費、輸送費などの費用および利潤も含まれているということです。同じく給食を外注している警察の留置場では、たとえば岩手県だと一食が約415円となっているそうです(NHKニュース・ウェブ特集「ドラマとは違う 留置場の弁当事情」2017年11月28日)。この数字と比べてみても、入管の給食は相当に低い予算で済まされていることが分かります。これは収容者の最低限の健康維持に配慮した予算額ではないと言えます。

 当局に予算上の制約があるようにも見えません。というのも、東京入管は2月に並行して、収容施設内の電灯を一斉にLEDに取り換えているからです。まだ使用できる電灯の交換に資金をつぎこみながら、収容者に出される粗末な食事は、さらに粗末にしているのです。これはたいへん不条理なことだと考えます。

e0188516_10200970.jpg


 以上のとおり、このたびの東京入管の収容者給食にかんする措置の問題点を明らかにする情報を提供いたします。貴委員会におかれましては、当該措置の問題点を厳しく検証し、その撤回を強く勧告し、ひいては収容者給食の予算額を見直す必要性についても考慮していただければと期待しております。

SYI 収容者友人有志一同





by p-dragon | 2019-02-15 07:37 | 入管収容の実態(報道・統計等)  

日本生まれの笠原カルロス圭一さんの長期収容

Posted on: 2019年 02月 14日

 日本生まれの笠原カルロス圭一さんは、国外退去を命令され、4年近くも入管に収容されています(現在、牛久入管に収容中)。今年1月、カルロスさんはうつ病との診断を受けました。このたび当団体が牛久入管所長に送った意見書を、ご本人の希望にそって公開します。

***

2019年2月14日
東日本入国管理センター所長 様

笠原カルロスさんの長期収容にかんする意見書

 笠原カルロス圭一さん(1993年生)は、2015年4月に(当初は東京入管横浜支局に)収容されてから現在にいたるまで、3年10か月もの長期にわたって入管に身体を拘束されており、現在までに彼がおこなった仮放免申請は15回に及びますが、ことごとく不許可にされています。

 以下に挙げる理由により、この長期収容は笠原さんにたいする許容しがたい人権侵害であると考えます。したがって、彼の収容を即時に解くことを要請します。

1 長期収容による人権侵害
 笠原さんが受けているのは、すでに4年半をこえ、しかも今後いつまで続くかも分からない拘禁です。この長期収容は、送還執行のための一時的措置という入管収容の建前とは明らかに矛盾しており、そして在留資格がないという理由だけで人間に強いるにはあまりに厳しく残酷なものです。

 笠原さんは鼻の骨が曲がってしまっているため、手術が必要ですが、収容のためにそれができず、かといって入管が彼に必要な医療を提供するわけでもありません。この点で、彼の収容継続は身体的な拷問にもなっています。このことに関連して、国連の拷問委員会が日本の入管収容にかんして表明している懸念のなかに、適切な医療へのアクセスの欠如が含まれている点も想起されるべきです。

2 笠原さんにたいする退去強制命令のはなはだしい非人道性
 笠原さんは日本国籍をもたないとはいえ、日本で生まれ育った、日本社会の実質的な一成員であり、彼が現実に属していると言える国は日本以外にありません。彼を送還対象者として収容しつづけることは、はなはだしく非人道的な措置です。

 私たちは本人から次のように聞いています。笠原さんは、日本で、ドミニカ国籍の父親とコロンビア国籍の母親のあいだに生まれた、日系三世です。永住資格をもっていましたが、両親の離婚にともない、何度か母親とともにコロンビアに渡航したことを理由に、在留資格を一年更新の定住に格下げされてしまいました。なお、彼の父親と家族は日本に暮らしつづけている一方で、彼の母親は再婚のためドイツに移住しており、ドミニカにもコロンビアにも彼の生活を支援してくれる人はいません。

 その後、2014年5月、20歳のときに、笠原さんは大麻所持の容疑で逮捕され、懲役6か月、執行猶予3年の実刑判決を受けました。刑務所には入らなかったものの、この実刑判決を理由に在留資格を更新されず、自動的に非正規滞在者とされてしまったことにより、2015年4月から彼は入管に収容されています。

 日本で生まれ育った笠原さんが、法的地位の違いという理由だけで、一度でも違法薬物所持の罪を犯せば更正の機会も与えられずに国外追放されるというのは、あまりに不公平で非人道的です。しかも無期限の入管収容は、笠原さんにたいする実質的な二重刑罰といえます。これこそ、国籍に関係なく保障されるべき基本的人権を無視する、不法な措置です。笠原さんの収容を直ちにやめるべきと考えます。

SYI(収容者友人有志一同)

e0188516_23404828.jpg


by p-dragon | 2019-02-14 20:47 | 個人のケース(証言・抗議)  

東京入管の「兵糧攻め」のような給食制限に抗議を

Posted on: 2019年 02月 08日

東京入管に抗議の声をよせてください! 宛先は最下部にあります。

e0188516_06285958.jpg

 2月に入り、東京入管は、もともと粗末な収容者への給食を、さらにひどいものにしました。

  • これまで出ていた味噌汁を出さない。(売店で購入するとしても有料)
  • みそ、しょうゆ、およびそれらの入った食品を出さない。
  • 豚肉、牛肉は出さない。

 以上のような制限が新たに導入されたことが、複数の収容者からの聞き取りにより判明しました。

 豚肉、牛肉や、成分にアルコールが入っているみそやしょうゆを提供しないということは、宗教的理由により特定の人には提供できない食材を、一律に提供しないという暴挙に出たものと推測されます

 この措置に収容者たちは「まるで兵糧攻めのようだ」「今以上に食事がひどくなることはないだろうと思っていたら、もっとひどくなった」などなど、口々に苦しみや憤りの声をあげています。

 もともと入管収容施設の給食はとても粗末です。一食の大半は、炭水化物と、質の悪い油による揚げ物や、素材が悪くてくさい焼き魚などが占めます(成人必須カロリー量を数字だけ満たすようにするためか)。野菜は、ほんの一つまみ程度にしか添えられていません。インスタント食品の購入はできますが、値段は高めです。しかも東京入管の場合、面会者が食品を差し入れることはできません。 こんなにひどい食事が、2月からさらにひどくなったのです。

 【参考記事】入管収容施設の給食の劣悪さについて

 入管の意図が何であれ、この措置はまさに「兵糧攻め」です。いつ解放されるかも分からない環境で、まずくて栄養のない粗末な食事しか与えられない。このこと自体が収容者への拷問です。

 この措置にたいして、東京入管に抗議の声をよせてください!


東京入国管理局長 宛
郵便 108-8255 東京都港区港南5-5-30
FAX 03-5796-7125

【入管に要請して欲しいこと】
  • 2月からの収容者への給食の一律制限(みそ、しょうゆ、豚肉、牛肉)を撤回してください。
  • 収容者への食品の授与(差し入れ)を認めてください。
  • 収容者の栄養状態、健康状態が非常に劣悪であることを認め、根本的に改善してください。
  • 長期収容をやめてください。

by p-dragon | 2019-02-08 08:23 | 抗議・声明  

入管収容施設の給食の劣悪さについて

Posted on: 2019年 02月 08日

 入管収容施設の給食がどれほど酷いかを伝えるために、2017年12月の年次報告会で配った資料の一部を、転載します。2017年末時点での東京入管の実態にかんする説明ですが、その後もこれといった改善はなく、そして2018年2月にさらに悪くなりました
 【2月10日 データを最新のものに更新】

*

 ......入管収容施設で提供される食事には、健康上、衛生上の問題があります。

 質の悪い食材が使われているようで、食べ物が臭いと多くの収容者が証言しています。腐った食材や虫が混入していることもあります。こうした証言は10年以上前からつねにあります。

 メニューもコロッケ、卵、焼き魚、たまに鶏肉やカレーなど、限られた種類のものしか出てこず、健康によくありません。現在、東京入管では、業者(株式会社祝一)に外注して作らせたものを提供しているようですが、入管が食品の衛生管理の責任を果たしているかどうか疑問です。

 給食にかけられている予算が低いことも一つの原因と考えられます。2017年の東京入管における収容者給食の外注先との契約金額は、1億8672万円でした。同年の東京入管の収容者は、一日平均542.8人なので、一人一食あたり314.2円ということになります。この年はまだ高いほうで、同じ方法で計算すると、たとえば2012年は一食あたり247.5円になります。しかも、この額には材料費だけでなく、人件費、輸送費、受注業者の利益なども含まれています。ところで、同じく給食を外注している警察の留置場では、たとえば岩手県だと一食が約415円となっているそうです(NHKニュース・ウェブ特集「ドラマとは違う 留置場の弁当事情」2017年11月28日)。この数字と比べてみても、入管の給食は相当に低い予算で済まされていると言えます。

 収容者の声 魚が腐っているので職員に言った。業者に注意すると言っていた。いつも食事はサンマ、サバばかりで、冷めていて固い。食べたくないのでプロテインでしのぐ。(Kさん、2017年8月の証言)

 収容者の声 食べ物が臭く、大きな虫半分が入っていて交換させた。(Aさん、2017年9月の証言)。


東京入管における収容者一人一食の推定価格(クリックで拡大)

e0188516_10200970.jpg

by p-dragon | 2019-02-08 08:13 | 入管収容の実態(報道・統計等)