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牛久入管ハンガーストライキ 収容者の声 入管に抗議を!


 東日本入国管理センター(茨城県牛久市)に収容されていたクマルさんの自殺(4月13日)を受けて、同センターの収容者がハンガーストライキを始めたことが、国内外のメディアで報道されています。同センターで面会活動にたずさわる「牛久の会」から聞いたところでは、4月18日の時点で約140名がハンストに参加しています。本記事では、牛久入管でのハンストの状況および参加者の声を伝えます(当団体が20日に面会で得た情報にもとづく)。

 読者のみなさんもぜひ、収容者に連帯して、FAXや電話などで当局に抗議し、収容解除を求めてください。

東日本入国管理センター
 300-1288 茨城県牛久市久野町1766-1
 電話 029-875-1291
 FAX 029-830-9010

法務省入国管理局
 100-0013 東京都千代田区霞が関1-1-1 法務省内
 電話 03-3580-4111
 FAX 03-3592-7368


ハンガーストライキの実施状況
  • 現在、牛久入管には男性のみが収容されている。収容者の居室は 1A, 1B, 2A, ... 9B までのブロックに分かれる。異なるブロックの収容者どうしは手紙でしか交流できない(職員に渡した手紙が翌日に相手に届く)。
  • 今回のハンガーストライキは、クマルさんの自死を知った収容者たちが自主的に始めた。ブロック全員で意思統一して実施しているブロックもあれば、個人が行っているブロックもある。開始や終了(すでに終えている場合)の時期もブロックごとに異なる。ハンスト参加者は、水、塩や砂糖を溶かした水といった飲料以外は、給食であれ購入可能な食品であれ口にしていない。
  • クマルさんが属していた5Aブロックは、彼の自殺の2日後、4月15日(日)からハンストを開始。病人以外の全員が参加している。17日、当局にたいして要望書を提出したが、20日昼の時点で、まだ返答は受け取っていない。他のブロックは、16日からハンストを始めた場合が多いようだ。
  • 少なくとも5Aおよび5Bは、ブロックの総意として21日以降もハンストを継続する。8Aは21日に終了する予定。7Aは約40名がハンストに参加していたが、19日に終了。要望書にたいして来週に返答を出すのでハンストはやめるよう担当職員が約束し、それに応じたため。

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(牛久入管の内部 Seeking asylum in Japan 'like being in prison' BBC 2016.6.8)


ハンガーストライキ参加者の動機と要求

《動機》
  • ここに収容されている人はみんな、自殺したクマルさんの気持ちが分かる。いつ出られるか分からないから。もはや2年以上収容されている人も珍しくない。刑務所を出た人だと3年以上になることも。きちんと刑は務めきったのに、刑務所と変わらない環境に、刑務所以上に長く閉じ込められてしまう。職員に「このままでは自殺するぞ」と言う収容者は多くいる。職員は「そういうことを言うのはやめろ」などとしか返答しないが、軽い気持ちや単なる脅しで言っているのではない。(8A収容者談)
  • 自分もクマルさんと同様、仮放免(収容解除)申請の審査結果を3ヶ月待たされたあとに不許可と告げられた。通知を聞いたとき、心拍が急激に上がり、体温が熱くなって平静を保てず、冷たいシャワーを浴びながら泣いた。だからクマルさんの心境はよく分かる。(5A収容者談)
  • 牛久入管に移される前、東京入管でクマルさんと同室だった。だから、他の人はハンストをやめたが、自分は続けている。自分も彼のように、苦しみにたえられずに自殺してしまうかもしれないと思い、怖くなる。次にあなたに会うまえにやってしまうかもしれない。(2B収容者談)

《目的・要求》
  • 第一に求めているのは、長期収容者の仮放免である。(複数の収容者談)
  • 世間の人に入管で起きていることを知って欲しかったことも目的。ニュースとして伝えてもらいたい。(5A収容者談)
  • 5Bの参加者が当局に出す予定の手紙では、もちろん仮放免を求める。どうして日本人配偶者がいても収容するのか、なぜ病気の人を満足な治療も与えずに収容しつづけるのか、どうして無期限に収容するのかなど、理不尽に感じていることについて返答を求める。(5B収容者談)

《収容の不当性》
  • 自分は難民不認定と同時にビザを更新停止され、収容された。ところが、同じ状態なのに収容されることなく仮放免許可を受けた知人もいる。こんな恣意的なやり方は、ルールとは言えない。(5A収容者談)
  • 数日前、仮放免申請が不許可になった。それを電話で伝えると、配偶者(日本人)は泣いていた。娘はいつも「パパいつ帰ってくるの」と尋ねてくる。自分だけでなく外にいる家族も、入管に首を絞められているようなものだ。(2B収容者談)
  • クマルさん自殺の日、同じブロックの仲間が、金バッジの上級職員に説明を求め、また厳格な収容を見直すつもりがないのか尋ねた。それにたいして職員は、日本の景気が悪いこと、オリンピックが近いことを理由に、これまでの方針は見直さないだろうと答えた。この話を聞いて怒りが沸き起こった。たった数千人の収容者のせいで日本の景気が悪くなるのか? 私は20年以上日本に生活し、結婚して家族もいるが、2008年からの不景気で失業してしまい、家族を養わなければいけないのに、ハローワークには「外国人に紹介する仕事はない」と差別された。(5B収容者談)

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(牛久入管の内部 Seeking asylum in Japan 'like being in prison' BBC 2016.6.8)


報道
 入管収容者が集団ハンスト 東日本センター 長期の拘束抗議 東京新聞 4月16日
 入管収容施設で待遇改善求めハンスト、インド人男性死亡を受け ロイター 4月17日
 入管ハンスト 人権が守られていない(社説) 信濃毎日新聞 4月19日
 Japan detention centre immigrants start hunger strike (BBC, 17 April)
 他多数


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by p-dragon | 2018-04-21 15:51 | 入管内からの声  

入管収容施設で自殺した男性の経緯

 4月13日午前、東日本入国管理センター(茨城県牛久市)に収容されていたインド人男性ディーパク・クマルさん(Deepak Kumar)が自殺しました。彼の自死について、当団体が現時点で把握しているかぎりの経緯を伝えます。

《関連記事》
 牛久入管ハンガーストライキ 収容者の声 入管に抗議を!(4月21日)
 当団体の抗議声明(4月20日)


 クマルさんは、2017年4月に来日し、難民申請。彼は出身地での迫害の恐れを抱いていました。3ヶ月後の7月、在留資格の更新を認められず東京入管に収容(このさい難民不認定が通知されたと思われます)。12月に東日本入管センターに移送。今年2月に面会したさいには体重が収容前から7.8キロ減ったと言っていました。もともと日本語は知らなかったものの、収容中に熱心に勉強したようで、基本的な会話ができるようになっており、ご本人の希望で日本語の教本を差し入れました。自殺の前週には、法テラスに電話相談し、弁護士との面会予定も作っていたそうです。

 しかし自殺の前日である4月12日、クマルは仮放免申請の不許可を通知されます。申請から3ヶ月が経っていましたが、仮放免の審査には通常で2週間程度かかるというのが当局の説明なので、彼が待たされた時間はかなり長いものでした。クマルさんの落胆は非常に大きかったと推察できます。しかし、周囲の人が彼のようすをとくに変だと感じることはありませんでした。

 4月13日午前、クマルさんは同じブロックの友人たちとゲームをしたり会話したりしながら、普通に過ごしていました。しかし、ある友人は、クマルさんが彼に「3ヵ月が無駄になっちゃったよ」と告げ、テレフォンカードを譲ったことを証言しています。その後、10時50分にクマルさんはシャワー室に行き、そこで帰らぬ人となりました。入管職員がシャワー室で彼を発見したとき、彼は首にタオルが巻かれた状態ですでに意識を失っており、搬送先で死亡が確認されました。捜査に入った警察は、同日13日のうちに、彼は自殺したと判断しています。クマルさんは日本に家族や親族がおらず、まだ代理人(弁護士)も見つけていなかったので、彼の遺体がどうなったのかは今のところ把握できません(入管は個人情報保護を理由に回答を拒否します)。

 インドの遺族(パンジャーブ州ルディヤーナー在住)はメディアの取材に応じ、日本政府にたいして真相究明を要求しています(Ludhiana man dies in Japan, kin seek probe, The Tribune, 16 April)。20日の記事は、遺族がインド政府にたいして早急に遺体を取り戻すよう求めているとも伝えています。彼のご兄弟は「インド大使館は兄弟が窒息死したとしか伝えておらず、満足できない」とコメントし、またクマルさんについて「彼は15日か20日ごとに電話をくれた。〔自殺前日の〕4月12日にも電話がきたが、元気だと言っており、父や母や他の家族のことを訪ねてきた」と、生前のようすを振り返っています(Family demands probe after Indian mysteriously dies in Japanese immigration detention centre, India Today, 20 April)。

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(クマルさんの遺族 India Today紙ウェブ)

 なぜクマルさんが自殺を選んだのか、正確に知るすべはありません。しかし、入管当局がクマルさんの帰国できない事情を鑑みず、彼の難民認定を拒否し、それどころか強制送還の対象者として収容施設に無期限に監禁しつづけたことが、彼に自死を選ばせた最大の要因であることは明白です。





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by p-dragon | 2018-04-21 13:04 | 入管内からの声  

入管収容施設での自殺 当局への抗議と要求

 以下は、東日本入管センターにおけるクマルさんの自殺と、収容者によるハンガーストライキの開始を受けて、当団体が4月20日付で当局に提出した文書です。クマルさんの収容から自殺までの経緯についても触れています。また、以下の三点を当局に要求しています。

 1 本件の責任にかんする厳しい調査
 2 本件にかんする責任者の処罰および東日本入管センター所長の免職
 3 長期被収容者の仮放免

 FAXや電話や郵便で、当局に抗議を届けてください!
 
 東日本入国管理センター
  300-1288 茨城県牛久市久野町1766-1
  電話 029-875-1291
  FAX 029-830-9010

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東日本入国管理センターでのインド人男性の自殺にかんする抗議と要求

 法務大臣 上川陽子 様
 東日本入国管理センター所長 清水洋樹 様

 4月13日、東日本入国管理センター(茨城県牛久市)に長期収容されていたインド人男性D. クマルさんが自殺しました。クマルさんは、残念ながら当団体が面会していた方でした。この件について当団体は、同センター所長および法務省の責任を厳しく追及するものです。

自殺の経緯 生前のご本人、および同ブロックの収容者からの聞き取りをつうじて、当団体はクマルさんの経緯を次のように把握しています。

 クマルさんは、2017年4月に来日し、難民申請。彼は出身地での迫害の恐れを抱いていました。3ヶ月後の7月、在留資格の更新を認められず東京入管に収容(このさい難民不認定が通知されたと思われます)。12月に東日本入管センターに移送。今年2月に面会したさいには体重が収容前から7.8キロ減ったと言っていました。もともと日本語は知らなかったものの、収容中に熱心に勉強したようで、基本的な会話ができるようになっており、ご本人の希望で日本語の教本を差し入れました。自殺の前週には、法テラスに電話相談し、弁護士との面会予定も作っていたそうです。

 しかし自殺の前日、彼は仮放免申請の不許可を通知されます。自殺当日の午前、彼は同じブロックに収容されている友人に「3ヵ月が無駄になっちゃったよ」と告げ、テレフォンカードを友人に譲りました。その後、彼はシャワー室に行き、帰らぬ人となりました。発見時の状況から、彼がタオルで首をつって自殺したことは明らかです。

当局の責任 同センターは報道にたいして「適正な処遇をしていたがこのような事態になってしまった」(NHKウェブ茨城「入国管理センターでインド人死亡」4月13日)と、またクマルさんが「不法残留」で「退去強制処分になっていた」(茨城新聞4月14日)とコメントしています。いずれも当局の責任を隠そうとする不当なコメントに他なりません。クマルさんは難民申請者でした。彼への処遇は、難民申請についても収容についても「適正」では決してなかったはずであり、徹底的な調査を要します。インド英字新聞Tribune紙の報道(Ludhiana man dies in Japan, kin seek probe, 4月16日)のとおり、インドにいる遺族もまた真相究明を日本政府に求めています。

 東日本入管センターと法務省の責任は、施設管理の面で収容者の自殺を防げなかったことではなく、クマルさんの帰国できない事情を鑑みず、彼の難民認定を拒否し、強制送還の対象者として収容施設に監禁しつづけ、彼を死に追い詰めたことにあります。

 近年、各地の入管は収容を長期化させていますが、東日本入管センターではとりわけ長く、2年、3年と収容されている人すら珍しくありません。送還対象者における自費出国者の割合が毎年95%前後という数字が示しているように、無期限の収容は、送還を強い、しかも自費で出国させるための手段として、事実上機能しています。それゆえに入管収容施設は、いつ自殺者が出ても不思議ではない環境となっています。くわえて、医療体制とくに緊急医療の不備のために、急病で命を失う収容者も後を絶ちません。ロイター通信によれば、各地の入管収容施設での死者は、2006年以降に限っても14人が死亡しています(Indian man dies in Japanese immigration detention center in apparent suicide, 4月13日)。

ハンガーストライキ クマルさんの自殺に衝撃を受け、東日本入管センターの被収容者はハンガーストライキを行っています。彼がいた5Aブロックから始まり、4月18日の時点では140人がハンガーストライキに参加していると、当団体は他の支援団体から聞いています。東日本入管センターでは、クマルさん同様に、あるいは彼以上に、長期にわたって収容されている人ばかりです。こうした人々の人権や、日本を出国できない事情を、当局は最大限に配慮すべきです。

 以上の理由により当団体は、以下を要求します。

 1 本件の責任にかんする厳しい調査

 2 本件にかんする責任者の処罰および東日本入管センター所長の免職

 3 長期被収容者の仮放免


2018年4月20日
SYI(収容者友人有志一同)





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by p-dragon | 2018-04-20 00:00 | 声明・情報・考察  

入管への要求(2018年4月) 7, 8(終)

 当団体が4月17日の抗議行動において、法務省入国管理局および東京入国管理局に提出した要望書の内容を公開します。

 1 - 3  4 - 6  7, 8


  • 7. 2017年3月に東日本入国管理センターで死亡した男性の件について、当時の所長および責任のある職員を処罰すること。

  • 8. 2018年4月13日に東日本入国管理センターで自殺した男性について、彼の難民審査の手続に問題がなかったか調査すること。


 第七および第八の要求は、いずれも東日本入国管理センターで起きた事件について、法務大臣および法務省入国管理局長にたいして要求するものです。

 第七については、2017年11月の内部報告書で、男性の死がやむを得ないことであったかのように結論づけていますが、そんなことはありません。そもそも医療の専門家ではない人間たち(入管職員)が、なぜ男性の容態を勝手に判断していたのでしょうか? 男性の死は、構造的な問題の帰結であり、その改善のためには、責任ある職員をかばい立てせず、きちんと処罰する必要があります。

 第八については、自殺した男性が難民申請者であったことに、東日本入国管理センターは報道発表では言及しておらず、責任隠しが疑われます。きちんと調査すべきです。

 《関連記事》
 【速報】牛久入管の収容者が自殺
 入管収容施設での自殺 当局への抗議と要求





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by p-dragon | 2018-04-19 08:21 | SYIとは / What is SYI?  

入管への要求(2018年4月) 4-6

 当団体が4月17日の抗議行動において、法務省入国管理局および東京入国管理局に提出した要望書の内容を公開します。

 1 - 3  4 - 6  7, 8


  • 4. 被収容者に医療への迅速なアクセスを保障すること。

 この要求は、人命にかかわるきわめて重要なものです。2017年3月、東日本入国管理センターでベトナム国籍男性が苦しみを訴えながらも放置され、くも膜下出血で死亡しました。東京入国管理局でも、今年1月に百日咳が発覚した被収容者や、今年3月に背骨の軟骨の異常が発覚した被収容者が、症状を訴えてから医療機関での診療を受けるまでに約二か月間放置されてきたことを、当団体は把握しています。

 職員は詐病ではないかという先入観をもって被収容者に接しているように見えます。そのような先入観によって適正な医療への迅速なアクセスを妨害することは、きわめて不当な人権侵害です。仮に、予算上の都合などで適正に医療を提供できないのだとすれば、そもそも収容をすべきではありません。

  • 5. 被収容者への給食を改善すること。

 給食の劣悪さにたいする被収容者の不満が絶えることはありません。食べ物がまずい、臭いといった不平だけでなく、腐った食材や虫が混入していたという証言も耳にしています。第一に、現在の受注業者(株式会社祝一)に衛生管理を徹底させ、それができないなら業者を変える責任が貴局にあります。第二に、予算を上げる必要もあります。

 2016年の東京入管における収容者給食の外注先との契約金額は、1億8257万円でした。同年の東京入管の収容者は、一日平均481.5人なので、一人一食あたり345.3円ということになります。この年はまだ高いほうで、同じ方法で計算すると、たとえば2012年は一食あたり247.5円になります。しかもこの額には、食材費だけでなく、人件費、利益、輸送費なども含まれているはずです。ところで、同じく給食を外注している警察の留置場では、たとえば岩手県だと一食が約415円となっているそうです(NHKニュース・ウェブ特集「ドラマとは違う 留置場の弁当事情」2017年11月28日)。これと比べると、入管収容施設の給食は相当に低い予算で済まされていることが分かります。予算をただちに上げるべきですし、それが不可能なら収容をやめるべきです。

  • 6. 収容施設における分煙の設備を整えること。
 
 この要求は、2017年6月に始まった、入管施設内部の全面禁煙の見直しを求めるものです。被収容者は屋外に出られないので、この措置により禁煙を事実上強制されています。この措置以前に、すでに収容施設では分煙が実施されていました。意志に反して禁煙を強制することは、他のどこでも行われていませんから、これもまた自由と権利の侵害にあたります。


 7, 8 へ








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by p-dragon | 2018-04-19 08:17 | SYIとは / What is SYI?  

入管への要求(2018年4月) 1-3

 当団体が4月17日の抗議行動において、法務省入国管理局および東京入国管理局に提出した要望書の内容を公開します。

 1 - 3  4 - 6  7, 8

 私たちはいまの入管法そのものに問題がある(入国管理局に過大な裁量権を与えている)と考えています。しかし、以下の要求はどれも、現行法の範囲内でも可能かつ必要な改善措置として要求しているものです。これらの要求項目において問題となっている人権侵害の責任は、入管行政にあります。 


  • 1. すべての収容をやめること。すくなくとも再収容者、健康状態の悪化した被収容者から優先して解放し、また三ヶ月以上の収容(60日を超える収容)は即時にやめること。

  • 2. 在留資格のない長期在留者に在留資格を出すこと。また難民審査の基準を少なくとも他の難民条約締結国なみに改善すること。

  • 3. 仮放免者に移動制限と就労禁止を課すのをやめること。


 第一から第三の要求は、非正規滞在者(在留資格のない外国籍者)にたいする厳格な取締りをやめ、かわりに正規化(現行法では在留特別許可)を最大限に進め、難民申請者についてはその保護を正しく行うことを趣旨とします。

 入管はこれらの要求を、現行法では不可能と考えているようです。しかし本当にそうでしょうか。実際には、現行法は、非正規滞在者の扱いや難民認定について法務大臣(実質的には入国管理局)に広範な裁量を与えています。それをいいことに入管は、説明のつかない過重な取締りを行っています。

 収容については、即時の送還実施が決まっていないのに収容されている人々が数多くいますが、これは収容の本来の目的を逸脱しています。正規化(在留特別許可)についても、日本国憲法前文の国際協調主義および日本が加盟している国際人権規約や難民条約を正しく反映するならば、個人の事情を配慮して、これを最大限に運用することが可能なはずです。

 それにもかかわらず入管は、ビザのない(また剥奪された)外国人を無期限に収容し、正規化をほとんど認めません。そのことによって入管は、日本国が立脚していると称している民主主義、人権、国際協調に背いています。

 東日本入国管理センター(茨城県牛久市)では、長期に収容されていたインド人男性が、4月13日に自殺しました。東京入国管理局でも、自殺または自傷を行った被収容者を、当団体は少なくとも3名、把握しています(うち2名は4月17日現在も収容中)。東京入国管理局でも、いつまた死者が出ないとも限りません。これらの要求をすぐに実施すべきです。


 4 - 6 へ






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by p-dragon | 2018-04-19 08:06 | SYIとは / What is SYI?  

【速報】牛久入管の収容者が自殺

きのう4月13日の日中、東日本入国管理センター(牛久入管)に収容されていたインド人男性が自殺しているのが発見されました。

牛久入管の発表によれば「13日午前11時40分すぎ、施設に収容されていたインド人の30代の男性が、シャワー室で首にタオルが巻かれた状態で、意識を失っている」のを職員が発見。職員は「心臓マッサージなどを行うとともに、救急車を呼んで病院に搬送」したものの、男性は「およそ1時間後に死亡」しました(NHK茨城ニュースWEB「入国管理センターでインド人死亡」4月13日 http://www3.nhk.or.jp/lnews/mito/20180413/1070002311.html)。この記事の見出しは「死亡」となっていますが、発見された情報から見て、男性が自殺を図ったのは間違いないでしょう。

ロイター通信の英語記事は、支援者の田中喜美子さんのコメントを紹介しています。それによれば、男性はすでに約10ヶ月間収容されており、前日の木曜、仮放免申請の不許可を受けていました(Indian man dies in Japanese immigration detention center in apparent suicide, Thomas Wilson, https://www.reuters.com, April 13, 2018)。この男性について、それ以上のことは、まだ分かっていません。

この男性についてはまだ確定的なことが言えないとしても、入管収容施設が人を精神的に追い詰め自殺を誘発する環境を、また医療へのアクセスを保証せず、急病人を死に追いやる環境を作っているということは、間違いなく言えます。

上記ロイター記事にもあるように、日本の入管収容施設での死者は、今回の件を除いて「2006年以降で14人」を数え、そのうち「4人が自殺」です。記者が述べるように、収容施設ではうつ状態や精神疾患がはびこり、鎮静剤や精神安定剤の処方が通例になっています。自殺でないケースについても、2017年の牛久入管でのベトナム人男性の死亡、2014年の東京入管でのスリランカ人男性の死亡など、適切な医療を受けていれば助かったはずの命が、大したことがないと見なされて放置されたまま失われたことが分かっています(参考記事「牛久入管死亡事件(2017年3月)にかんする法務省の調査報告の批判」)。

東京入管では、2017年9月および今年3月に、本会メンバーが面会している収容者(それぞれ別の方)が自殺を図りました。幸いにも死にいたることはありませんでしたが、入管はあろうことか、彼らを医者に診せたあと、監視つきの隔離房(収容所では懲罰房と呼ばれている)に数日間監禁したのです。

収容者を精神的に追い込む最大の要因は、収容が無期限であることです。最近、東京入管でも収容は長期化していますが、牛久入管での収容はさらに長くなっており、2年、3年と収容されている人すら珍しくないようです。送還対象者のうち自費出国者95%という数字が示しているように、無期限の収容は、送還を強い、しかも自費で出国させるための手段として機能しています(参考記事「報告 入管収容による移民・難民の家族分離」)。当局は収容を、一種の精神的拷問としておこなっているとすら言えます。だから収容施設は自殺者が出てもおかしくない環境なのです。

 




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by p-dragon | 2018-04-14 09:47 | 声明・情報・考察  

東京入管抗議・激励・面会アクション(4月17日)

第34回 東京入国管理局での抗議・激励・面会アクション

English

2018年4月17日(火)
 13:00 東京入管前に集合、行動開始
 14:00 抗議申し入れ
 14:30 面会(予定、身分証明書必要)

ビザがないという理由だけで、ここには外国人が裁判もなしに、無期限に収容されています。
苦しみ、体を壊し、心を病んでも、当局は収容者を解放しません。
日本の現代の強制収容所に反対しましょう!

集合場所: 東京入国管理局 正門前(港区港南5-5-30)
行き方: 品川駅港南口(東口)8番バスのりば→「入国管理局前」で下車

《呼びかけ団体》
 SYI(収容者友人有志一同)
 http://pinkydra.exblog.jp
 freeimmigrants@yahoo.co.jp
 080-8844-7318

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by p-dragon | 2018-04-03 21:19 | アクション・イベント  

Protest at Tokyo Immigration Bureau (17 April)

Protest at Tokyo Immigration Bureau

日本語

Tuesday 17, April 2018
From 13:00 in front of Tokyo Regional Immigration Bureau (Konan 5-5-30, Minato-ku, Tokyo)
Take a bus at the Terminal 8 of Konan exit at JR Shinagawa station.

13:00 Demonstration
14:00 Submitting petitions
14:30 Meeting detainees (your ID needed)

SYI (Shuyosha Yujin Yushi Ichido: Immigration Detainee’s Friends)
http://pinkydra.exblog.jp
freeimmigrants@yahoo.co.jp
080-8844-7318

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by p-dragon | 2018-04-03 21:05 | アクション・イベント  

牛久入管死亡事件(2017年3月)にかんする法務省の調査報告の批判

 2017年3月、東日本入国管理センター(茨城県牛久市)の収容者(ベトナム国籍男性)がくも膜下出血で急死しました。この方は死の数日前から容体悪化を訴えていたにもかかわらず、職員に放置されたまま命を落としました。

《参考記事》
 牛久入管でのベトナム人収容者の死亡事件にかんする抗議(2017.04.06)
 【転載】 牛久入管内からの声 ベトナム人収容者の死について(2017.04.06)
 【緊急よびかけ】牛久入管元所長の免職を求めるキャンペーン(2017.05.06)

 この件について2017年12月、法務省が調査報告を公表したことが報道されました。本会が行政文書開示請求により今年2月に取得した、報告書の写しを掲載します。以下をクリックするとPDFが表示されます。

 東日本入国管理センター被収容者死亡事件に関する調査報告書(2017年11月 法務省入国管理局)

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報告書の概要

 報告書の要点をまとめると、事実経過と医師の所見を記したうえで、男性が「死亡に至ることを予見することはできなかった」(10頁)と、また「理論上は、救命できた」かもしれないが「その終期〔死亡にいたるまでの期間〕を特定することが困難である」ので、実際には救命が「困難であった可能性も否定できない」(11頁)としています。こうして報告書は、この件について当局に過失はなかったという結論を導き出しています。要するに、男性が死ぬなんて分からなかったし、かりに対処を施したとしても手遅れだったかも知れないから、仕方がなかったということを主張しているわけです。
 
※ なお報告書「第2」には死亡した男性の身分事項や退去強制の理由(彼が刑事事件で実刑判決を受けたことも含めて)が記されていますが、しかしそうしたことは、彼の死にかんする入管当局の責任という問題にたいしてはまったく無関係です(刑事事件を犯していたので同情には値しないとでも言いたいのでしょうか?)。それゆえ、この箇所については報道で明らかになっていること以外のプライバシー情報を隠しています。


収容者の医療アクセスの妨害は構造的な問題だ

 しかし報告書は問題をごまかしています。本当の問題は、男性を救命できたかどうかということ以前に、医療の専門家ではない人間たち(入管職員)が男性の容態を勝手に判断していたことです。男性は死亡の数日前から痛みや苦しみを強く訴え続けてきたにもかかわらず、その訴えを職員たちは聞き入れませんでした。報告書によれば、3月18日にはすでに男性が苦しみ悶え意識朦朧になり、失禁も確認され、その後、死にいたる24~25日までに、頭痛や苦しみを訴え続けています。この約8日間に、男性が医者に診せられたのはたった一度だけ(21日、収容施設内の非常勤医師)です。この医師は、そのさいの診断でくも膜下出血を発見できなかったのは仕方ないという主旨の報告をしています(5頁)。しかし、それよりもっと深刻な問題が、この報告書ではうやむやにされています。すなわち、この一件を除いて、8日間、医療知識のない入管職員たちが、男性に勝手に医療措置を施し、勝手に症状を判断しつづけたということです。たとえば23日には、職員たちは、頭痛薬の投与やバイタルチェックをおこない「直ちに病院搬送を要するとは考えなかったものの容態観察を行う必要があるものと判断し、本人を休養室に移室した」(4頁)と報告されています。この点を当局が問題として認識していないこと自体が問題ではないでしょうか。

 入管職員が収容者の容態を勝手に判断し、なかなか医師に診せないのは、それを職員たちが「詐病」という先入観で見ているからに違いありません。体調不良を訴え、医師の診断を希望しても、職員は「大丈夫だから」「落ち着いて」「放っておけば治る」などと言ってごまかし、よほど容態が深刻にならないかぎり対応しないことが通例となっています。たとえば、ある東京入管の収容者は、昨年11月半ばから深刻な喉の異常(つねに苦しく、就寝中には呼吸が止まり苦しくなって目が覚めることがある)を訴えるも放置されつづけ、今年2月になってようやく病院に連れていかれ、百日咳と診断され、その後ようやく回復に転じるも、いまだ完治には至っていません。「詐病」という蔑視をふくんだ先入観を職員たちが共有しているからこそ、つねに収容者の医療は遅らされるのです。そもそも迅速な医療へのアクセスを保障できないなら即時に収容を解くべきでしょう。

 以上のことから、収容者の医療アクセスの妨害は、無期限の収容をはじめ、日本の入管収容の制度そのものに内在する構造的な問題と言えます。


再発防止?

 報道によれば東京は「今後、収容施設と医療機関との連携などを強化する方針」だそうです(小松隆次郎「入管収容中のベトナム人死亡 頭痛訴えるも専門検査なし」朝日新聞デジタル、2017年12月5日)。実際、面会での聞き取りによると、今年に入った頃から牛久入管では収容者の健康診断をおこなっているようです。

 しかしこれを収容者の生命と健康への真剣な配慮として評価することはできません。せいぜい、入管当局にとっての予想される面倒なトラブルへの予防措置といったところでしょう。本気で再発防止に取り組むならば、今回、男性を放置した職員およびセンター所長を処罰すべきです。またそもそも、収容者の健康悪化の最たる要因である、無期限の収容をやめねばなりません。

 したがって、この報告書は当局の責任をあいまいにするための文書にすぎない、と結論づけるべきでしょう。



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by p-dragon | 2018-04-02 00:25 | 声明・情報・考察