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動画「なぜ入管法改悪を止めねばならないか」

Posted on: 2021年 02月 14日


 入管法「改正」案が、今週にも、国会に提出されようとしています(2月10日報道)。しかしこれは「長期収容の解消」とは名ばかりの、移民や難民を排除する、入管法 “改悪” です。

 私たち SYI は、他の支援者たちと「入管法改悪反対共同行動」を組織しています。2月17日のデモに先立って、この入管法改悪案の問題点を要約・解説する動画を、当団体メンバー柏崎が作成しました。

 ぜひご覧ください! 拡散大歓迎!


動画「なぜ入管法改悪を止めねばならないか」_e0188516_15540884.jpg

動画URL https://youtu.be/GE0ZkmT1HjA


【原稿】

日本の入管収容問題を知ろう 入管法改悪に反対しよう

 2021年2月14日
 柏崎正憲(SYI収容者友人有志一同)

 原稿を PDF で読む


 日本にも強制収容所があります。入管収容施設です。

 いま入管法が改悪され、入管収容者が、さらに追い詰められようとしています。
 みなさん、入管法改悪反対キャンペーンに参加してください。私は、入管収容者を支援するSYIという団体の、柏崎です。

 入管に収容されるのは外国人です。
 しかし実際に収容されているのは、この社会と関わりの深い移民や外国人労働者、あるいは命の危険を逃れてきた難民です。
 そういう人たちを、ひたすら追放する対象として扱うこと、何年も何年も自由を奪い続けること、それは本当に正しいことでしょうか。


1 入管収容問題の本質

 いま法務省は、長期収容をなくすためと称し、法改悪を狙っています(2月10日報道)。
 しかし、この法案が長期収容を解決するなんて、ありえません。むしろ、入管収容者をさらに苦しめ、さらに虐待するものです。

 入管の言い分は、こうです。入管法を「改正」するのは、「受け入れるべき人を受け入れ、送還すべき人を送還する」ためである。
 しかし入管収容者には、さまざまな帰国できない事情があります。

 日本に長年暮らしてきた。家族が日本にいる。
 日本生まれ。幼少期から日本暮らし。
 帰国すれば迫害される、殺される。
 騙されて、返済できない過大な借金を来日前に負わされた。
 勤め先や日本語学校とのトラブルで、不当にビザ更新を妨害された。等々。

 しかし入管は、こうした事情を無視し、多くの人に送還を命じてきました。

 そして無期限の入管収容は、事実上、送還の手段となっているのです。

 みなさん、強制送還と聞くと、外国人が両腕を職員に掴まれ、むりやり飛行機に乗せられる、そんな様子を連想しませんか。
 ところが日本では、送還対象者の90%以上が「自費」で出国しているのです。

 自費で送還される人の多くは、無期限の収容により苦しめられ、追い詰められ、その結果、耐えきれずに帰国を選びます。
 これでは、まるで収容は、送還を拒む人たちへの、拷問ではありませんか。
 難民条約では、審査中の送還は禁止。でも自費送還なら問題になりません。

 あろうことか収容は、入管にとって、送還の便利な手段になっています。
 だから入管は、長期収容をなくすと言いながら、収容期間に上限を設けることは拒否しているのでしょう。

 長期収容は、人間の心と体を蝕みます。
 急病で死んだり、自殺したりする人が、後を絶ちません。
 抗議のハンガーストライキも続発し、ハンストの末に餓死した人すらいます。
 診察を求めても、長い間放置され、ようやく検査を受けたらガンと判明。そのとたん収容を解かれ、放り出されたという人もいます。
 収容による家族の分断も問題です。親が収容されれば、残された家族は生活に困窮します。子供が児童相談所に送られてしまうことも珍しくありません。

 収容が停止され、仮放免になっても、就労許可もなく、健康保険にも入れず、住民票にも登録されず、法的に存在しない人間にされてしまいます。

 入管のやり方は、国内外から批判されています。
 昨年9月に国連は、入管の長期収容を「国際法違反」と指摘しました。
 全国各地の法律家が、昨年のうちに入管法改悪への反対を表明しています。


2 入管法“改悪”の中身と問題点

 こんなに問題だらけの入管政策が、さらに改悪されようとしています。
 それは、長期収容の解決では、絶対にありえません。

 まず、送還に応じない入管収容者や、仮放免者を、刑務所送りにするために、刑罰を導入しようと狙っています。
 すでに入管は、収容を長期化させたり、さらには仮放免された人を数週間や数か月で再収容したりして、締めつけを強めてきました。
 刑罰は、こうした人々をさらに苦しめ、貶めることに、役立つだけです。

 次に、難民申請者を、審査終了前に送還可能にしようと狙っています。
 難民ではない人が、難民認定制度を「誤用・濫用」するからと、入管は言います。
 しかし、入管が難民認定制度を適切に運用しているかを、まず疑うべきです。

 入管の審査基準は、あまりに厳しく、不透明で、難民認定率は年間1%未満。
 難民認定とは別の在留許可(その他の庇護)を含めても、年間 2%未満しか受け入れておらず、諸外国と比べて最低レベルです。

 難民審査の結果を見直すための「参与員」の制度はありますが、ほとんどの参与員が難民に無知で、偏見すらもっていると疑われます。
 コンゴ難民の女性に「あなたは美人だからレイプされたのでは」と、信じられない侮蔑的な質問をした参与員すらいるのです。

 他方で、難民ではない人が難民申請をする事例もあります。
 しかしその原因は、日本の外国人労働者受入制度そのものにあります。

 いまアジアからの労働者の多くは、実習生や留学生の資格でしか日本で働けず、非常に弱い立場にあります。
 しばしば低賃金労働や、職場でのパワハラやセクハラにあい、しかも勤務先や学校に、在留継続を決める権限を握られていて、たやすくビザをとられてしまいます。
 しかし、手数料や授業料を払うために負った高額の借金を残したままで帰国することはできません。それで、難民申請する人もいるのです。

 このことの原因は、労働者を労働者として受け入れず、弱い立場で働かせ、搾取する、日本の制度にこそあります。

 他方で、この法案は一部の難民申請者に「補完的保護」を与え、一部の非正規滞在者に審査中の「社会生活」を容認すると言います。
 しかし、在留許可や難民認定や仮放免(収容停止)の基準は、従来、理不尽に厳しいものでしたが、この点について法案は沈黙しています。

 一時的に「社会生活」が認められても、審査が厳しいままなら、ほとんどの人は結局、遅かれ早かれ送還を命じられ、収容されるでしょう。
 難民の「補完的保護」については、従来の在留特別許可と、何がどう違うのか、まったく分かりません。

 長期収容をなくすために、本当にしなければいけないのは…
 在留許可の基準を大きく改める、収容期間に上限を設ける。
 外国人労働者を、実習生や留学生ではなく、労働者として受け入れる。
 難民認定の権限を、入管から、人権や難民問題をよく理解する専門家に移す。
 こうした根本的な転換です。

 これは「かわいそうな外国人のためにしてあげること」ではありません。
 国籍が異なる人を、モノのように扱い、利用し、排除することをやめ、この社会を、排除や搾取のないよい社会とするために、私たちがやらねばならないことです。


3 入管法反対共同行動に参加しよう

 いま、入管法改悪に反対する共同行動を、私たちは組織しています。
 共同声明の賛同者を募集中です。ウェブサイトをご覧ください。

 2月17日には、霞が関の法務省周辺で、デモをやります。
 コロナ感染が心配な方には、遠隔での参加を呼びかけます。地元の街頭や ツイッターで、入管法改悪反対を表明してください。

 入管法改悪案を、絶対に阻止しましょう!




by p-dragon | 2021-02-14 15:24 | 入管収容・入管政策  

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