入管収容施設における医療放置の実態 急病人に逆らうなと恫喝 1


 記事2(証拠・証言) 記事3(証言・報道)

 入管収容施設では、法の定めのない無期限の監禁をはじめ、人権侵害がまかりとおっています。とくに医療問題は深刻です。収容者を、しばしば深刻な容態に陥るまで放置し、最悪では死なせてしまうこともあります。しかし入管当局がその責任をとったことは一度もありません。

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 先日にも、新たな医療放置の事例が公表されました。昨年、東京入国管理局に収容中、急性虫垂炎および限局性腹膜炎を発症し手術を受けた男性にかんする件です。下記の報道は、手術後における男性への処遇の問題を指摘しています。


 実は問題はそれだけに留まりません。当該者であるトルコ国籍クルド人の男性は、当団体が面会していた方であり、2016年11月に東京入管に収容され、2017年10月に仮放免されました。昨年10月の当団体の報告でも、Aさんとして、この方の状況を伝えていました。

 この男性にたいする東京入管の処遇には、いくつもの問題があります。もっとも重大であるのは、次の事実です。

  • 2017年6月3日、男性が腹痛を発症したさい、激しい苦痛をくりかえし訴えている男性にたいして、職員たちが逆らうなと恫喝を加え、放置した。他の収容者の助けがなければ、男性はより長いあいだ放置されていた可能性が高い。男性が緊急手術を要する病状だったと後で判明したことを考えると、もし放置が長引いていたら彼の生命すら危うかったかもしれない

 この事実については、その証拠として東京入管の内部文書を、男性本人の証言や弁護士のコメントとあわせて別記事で公開します。収容者の健康にきちんと配慮しているという入管の主張とは矛盾する事実を、文書は物語っています。

 さらには手術後にも、以下のような問題ある処遇によって男性は苦しめられました。

  • 手術後、東京入管は男性の入院期間を短縮させ、手術痕の処置(抜糸や消毒など)をすべて自分でやるよう男性に命じた。
  • 男性が手術痕の痛みを続えつづけたにもかかわらず、東京入管は長期間、医師の診療を受けさせずに彼を放置した(上記報道での指摘)。これにたいして2018年4月24日、上川陽子法務大臣が閣議後、メディアにたいして、手術後一か月以上も彼に医師の診察を受けさせなかったということはないと説明した。しかし、それがいつなのか具体的な説明を入管はしていない。
  • ある職員(処遇部門B1072 当時)が男性への常習的ないじめをおこなっていた。
  • 長期収容、医療放置、職員のいじめにより、突発的に自殺を図る精神状態にまで男性を追い込んだ。男性は2017年9月29日、シャンプー液を大量に飲んで倒れ、病院に搬送された。しかも別な収容者の証言によれば、男性が倒れて泡を吹いていたとき、はじめに職員は彼を独房に連れていき、他の収容者から抗議を受けてから、やっと病院搬送の指示を出した

 以上についても、別記事で男性の証言を公開します

 このように男性は、入管による二重、三重の人権侵害により苦しめられ続けました。彼が昨年6月の医療放置や9月の自殺未遂のさいに命を失わなかったのは偶然にすぎないと言えます。入管の残酷さ、非道さに怒りを禁じえません。

 当団体はひきつづき、関係者と協力しながら、本件にかんする入管の責任を厳しく追及していきます。


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by p-dragon | 2018-05-04 20:28 | 声明・情報・考察  

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