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東京入管コロナ感染者の続報 40度の発熱でも放置、通院時には手錠 

Posted on: 2021年 04月 03日

 2月半ばに判明した、東京入管の収容場での新型コロナウイルス集団感染。男性収容者105名(当時)のうち58名が陽性となった。ほとんどは自己治癒力により回復した(つまり隔離、検温と血中酸素濃度の測定、プライバシーを無視した監視以外、なにも入管にはしてもらわなかった)。

 17日に感染発覚したスリランカ出身のSさん。彼ともう一名が、3月末になっても、いまだ再検査でも陽性のままである。Sさんは3月6日付で手記を送ってくれたが、ふたたび彼から手記が寄せられたので、公表する。(●印は掲載者・柏崎の説明やコメント)

 石岡邦章局長は、2か月たっても症状が回復しないSさんに入院治療を提供せよ!


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〔Sさん図説〕

わたしは今いる B-7 へやの まどの外から このようなカメラを おいてあります。

収容されたからか コロナだからか 人の自由とプライバシを うばわれています。

コロナで高輪びょういんに行く時 職員5人で てじょうをかけて だるい からだを もっと つらい かったです。

S より 〔署名〕

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  • 陽性の収容者はカメラで監視されるが、だからといって、容態が変化してもすぐに対応してもらえるわけではない。
  • コロナで苦しんでいても、通院のさいには手錠をかけられる。

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〔Sさん手記〕

2021/3/30

Kashiwazaki さんへ

(中略)

3月29日わたしはPCR検査感染です。発熱もあります。

今日3月29日わたしは高輪びょういんにつれていきました。びょういんでも熱37.4℃でした。

あと けつあつと けっきゅうさんさんのうどう〔血中酸素濃度〕で見ただけです。

そのびょういうんの いしが びにーるルームから とうく はなれて〔Sさんをビニールルームに入れて〕ちょっと しょうじょうを聞いただけ。体はちゃんと見てない。

あたまがいたい。体がだるい。口かわく。のどがいたい。しょくよくない と言った。けど いし〔医師〕は コロナだからこのようなかぜがあると 〔Sさんの〕体が元気そうに見えるから、大丈夫だと言った。本当にそのいしが わたしは〔その医師は私を〕 見るひもりも〔見るつもりも〕ないようだった。

はじめから高輪びょういんに行く 分ってないので、もしわたしは〔あらかじめ〕知ったなら行かなかった。

〔中略〕

しょくいんから きんきゅう はこびと言ったから わたしは入院だと思ったです。

〔問診の〕さいごに 前のんでいたくすり もう一ど のんでください とのことです。

そのくすり一回のんだとき ぜんぜん かわらなかった。また同じ〔またそれと同じ薬〕です。(カロナール錠200mg)

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このま〔間〕も わたしのいのち きけんです。

よる なったら なんか きけんせいを だれかに 外に話したかっても でんわ できない。

しょくいんが 話しを 聞くだけで なにもならない。

もしものとき この いじょう たすからない〔もう助からない〕と分かったら びょういんに はこぶ かもしれません。

スリランカ人の〔スリランカで報道された女性名、ラテンアルファベット表記〕さんも なごや入管で命をうしなったのは このような入管の考え、しぬまでか、いのちを このいじょう たすからないと分かったら びょういんに はこぶ との入管の考〔えのせい〕です。

〔署名〕

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  • 高輪病院は、東京入管の収容者が外部診療で連れていかれる主な病院。入管との関係が強いため、収容者を偏見なく診療していないと疑われる場合が多い。Sさんが言いたいのは、この病院に入管が収容者を連れて行くのは、ほんとうに治療するためではなく、たんに「病院で受診させた」という外見を取りつくろうためということ。

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〔Sさん記録〕

入管のしょくいんが一日3回 わたしの熱 check するとき わたしは自分で手帳に書いたメモです。

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  • 今回、東京入管が最初にPCR検査をおこなったのは2月15日だが、すでに8日にはSさんは発熱していた。このときすでに感染していた恐れ。
  • Sさんによれば、2月20日から3月12日まで、検温をされなかったという。
  • 3月21日には、一時的に40度にまで熱が上がった。しかしそのときですら、入管はSさんを「観察」するだけで何もせず、診療や投薬はおろか、経口補水液を提供することすらなかったという(経口補水液は「自腹で買え」と言われる)。



# by p-dragon | 2021-04-03 09:02 | 入管収容・入管政策  

「入管に殺されるかも」東京入管コロナ集団感染・感染者からの手紙

Posted on: 2021年 03月 10日


 東京入管で2月15日から3月4日までに、58名の男性収容者が、新型コロナウイルスに感染したと判明。事態発覚時点の男性収容者総数105名のうち、半分以上が感染したことになる。

【参考記事】初の入管クラスター 収容者58人感染、施設内の閉ざされた実態(毎日新聞 3月6日)

 2月17日に感染発覚したスリランカ出身のSさんから、このたび手紙が届いた。彼の手紙からは、この事態におよんでも、どれだけ入管が収容者をないがしろにしているかが伝わる。読者には、入管の人命軽視、人権無視に批判の声を挙げてほしいと、Sさんは望んでいる。


「入管に殺されるかも」東京入管コロナ集団感染・感染者からの手紙_e0188516_22075829.jpg


【以下、Sさん手記】


柏崎さんへ


 わたしは東京入管に収容中でいるスリランカ人の男性Sです。

 わたしたちのことを助けたいと思って外でがんばっている皆様に心からかんしゃいたします。



 わたしも2月17日のPCRけんさでコロナに感染したことが分かった。

 それからずっと へやの中です。へやから出るのはシャワーだけです。シャワーに行くときもずっと しょくいんがついて来る。前はフリータイムのとき自由にシャワーできたのに 今は好きなとき できない。

 コロナになってから入管収容内でもっときびしくなった。毎日おなじ べんとうだから たべたくない人は多いのに べんとうはかわらない。

 しょくいんが たべない人の べんとうばこ もって行く。わたしも なんかいも たべなかった。



 しょくいんが自分でたべない人を きろくにする。のに くすりだけのませる。くすりも口に入れて水ちゃんとのむのを かくにんする。

 本当はおなかに〔胃に〕なんにもないで くすりだけ〔飲むのは〕体によくないことを しょくいんが分ってるのにやってます。

 どうしても体がいたい人は くるしい人は くすりをのみたいです。わたしもコロナに感染する前から いろんなびょきで くすりをのんでいるのです。



 コロナに感染したことでストレスもっているのに しょくいんからのいじめ いちばんきらいです。

 3月3日5:00 pm~6:00 pmまで B2004番号のしょくいんがわたしに言ったこと。

 「食事ぐらいは自分の金でかえ」「金をないならがまんして食べるしかないやろう」とのことでした。

 でもここでべんとう うっていないし コンビニであるものは あまいもの(おかし)だけです。

 今コロナのことで心配している かぞく毎日 自分のこと知りたい。でも でんわできる時間はきまってるから 国の時間は日本の時間とちがって なかなか話せない。



 わたしはコロナで いちばんひどかったとき むねがいたくて よう足〔両脚〕を しびれたみたい たちあがらない ときがあった。そのとき体が あすい〔熱い〕から ダンボ〔暖房〕はとめてほしかった。

 でもインターホンをおすため立ち上がることができなかったので あさまで くるしんだ。そのとき しょくいんに こうえ〔声〕をかけるとしても しょくいんが みまわらなかった。



 いまは このじょうたいで考えるのは 生きるかもしれない。しぬかもしれない。

 命は fifty, fifty です。なぜなら へやに とじこんで〔閉じ込められて〕いる 不安です。

 もしかしたら入管は わたしをころされるかも 本当に入管はこわい。



 これからも外から こうえ〔声〕をあげて わたしたちをまもってください。たすけてください。

 今までもわたしたちの命をのこってるのは 外で自分たちのことを考えている みんなさんのおかげだと思っています。

 もしみんながいなければ 入管が自由で好きなように収容者をくるしめると思います。

 今のコロナで わたしとすべての収容者を ころされるまえに たすけてください。

 よろしくおねがいします。



 S
 H-13 スリランカ人
 2021年3月6日



【以下、解説】

 これまで東京入管は、収容者が3人部屋、4人部屋で寝食をともにする密集状態を解消せず、免疫が弱まっているだろう傷病者も平気で長期収容しつづけてきた。これほどの大規模なクラスターを招いた責任は、東京入管局長にある。

 東京入管は、保健所の指導にしたがって適切に対処していると言うが、やっているのは隔離と検温くらいだ。しかも当初陰性だった人を雑居のまま放置した結果、さらに19名も感染者を増加させた。

 感染者たちが苦しみを訴えても、入管は、それに誠意をもって対処するどころか、大声で威圧して黙らせることしかしない。ふだんのまずくて質の悪い弁当のかわりに、経口補水液のような栄養物を出してくれることもない。医師の診療もほとんど提供せず、あったとしても電話での「問診」だけ。夜中、誰も見回りにこないので、容態急変したら命はないと、みな恐れている。

 「もしかしたら入管は わたしをころされるかも 本当に入管はこわい」。そう男性は書いている。これはまったく誇張ではなく、ふだんも、この非常時にも、入管にモノのようにしか扱われない彼らが、つねに感じていることなのである。





# by p-dragon | 2021-03-10 22:24 | 入管収容・入管政策  

入管法改悪案 本質は排除と「拷問」の強化! 絶対に廃案にすべき!

Posted on: 2021年 02月 28日


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入管法改悪案
本質は排除と「拷問」の強化!
絶対に廃案にすべき!


 2月19日、閣議決定で了承された、入管法改悪案。メディアは、収容・送還対象者の一部が「社会生活を容認」される、などと報じた。

 だが法案の中身を見れば、そんなのはまったくの嘘! 葬り去るべき、非人道的な法案であり、そのもっとも危険な部分は報道されていない。


帰国できない理由をもつ移民を永遠に排除!

 ビザのない移民の「在留特別許可」(在留正規化)の範囲を、さらに狭めようとしていることが、最大の問題である。

 政府法案は、これまで不透明と非難されてきた、在留特別許可の基準を示している(法案50条)。その対象は、送還命令を受ける前の被収容者、または後述の「監理措置」を受ける人に、限定されている。

 つまり、入管に収容されている大部分の人を、在留特別許可から外そうとしているのだ!

 法案には「退去強制令書の発付を受けた者は在留特別許可の申請ができない」と書かれている(法案50条3項)。これに当たるのは、誇張なしに、いまの入管収容者の99%、ほぼ全員だ。

 その多くが帰国できない事情をもつ、入管収容者たちから、永遠に、日本在留の可能性を奪おうとしているのである。

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現代の島流し

 くわえて、一定の犯歴のある移民を、とくに厳しく排除しようとしている。だが、彼ら、彼女らは刑期を終えているし、その帰国できない事情は前科とは関係がない。

 日本に生まれた、または幼少期から日本で育った、日本が事実上の出身国である人たちもいる。とりわけ、こうした人々を追放することは、中世の島流しと変わらないではないか。


入管の無期限の収容は「拷問」

 そもそも強制送還とは言うが、日本では、送還対象者の90%以上が「自費」で出国している。その多くは、無期限の収容に耐えきれず、帰国を選んだのである。

 このように見ると、入管収容は、事実上、送還を拒む人たちの意志をねじ曲げるための、拷問になっているのだ。

 そもそも裁判(司法のチェック)もなしに、行政の裁量(というより恣意)で、無期限に人の自由を奪うというのが、法治国家のやることではない。

 この問題の解決策は、収容期限に上限を設けることである。シンプルで確実だ。しかし、入管は強く抵抗している。

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送還忌避罪等による「拷問」の強化

 そのかわりに政府法案では、送還に応じない人に刑罰を科そうとしている(送還忌避罪)。収容にくわえて、刑事罰の脅しによって、帰国できない事情をもつ移民・難民をさらに追い込もうというのだ。

 さすがに批判が大きかったためか、その適用対象は狭めるようだが、狭めればいいというものではない。

 たとえば、飛行機に乗せられる際に暴れ、自傷し、機長の搭乗拒否命令で送還を免れるという事例もあるが、それは、帰国すれば命がないか、絶対に離れられない人が日本にいるからである。私の友人にも、そうして送還=帰国後の死を免れた人がいる。

 こうした人たちを送還するという決定こそが、間違っていないか。

 他方で法案には、収容を免除する「監理措置」も盛り込まれている。

 だが、誰がその適用対象に含まれるかは不透明だ。今までの入管のやり方を見るに、ごくわずかだろう。それでは、今までの「仮放免」とあまり変わらない。

 それどころか、入管に代わって民間人の「監理人」に、行政罰(罰金)の脅しつきで、収容停止された移民・難民を監視させようとしている。こうして収容を一時免除される人にすら、監視と束縛を強めようとしているのだ。

 さらに大きな問題は、法案が、この「監理措置」から外れた人を、在留許可の対象外にしていることである(前述)。ここにも、送還に応じない人をさらに締め上げようとする狙いが透けて見える。

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難民申請者の門戸もさらに狭める

 法案は、難民認定に至らない申請者に「補完的保護」を提供するという。だがもともと、それに似た「その他の庇護」(在留特別許可)はあった。それを含めても、年間、1, 2%しか難民は受け入れられていない。

 用語だけ変えた、ごまかしでしかないだろう。

 その一方で、難民申請者の手続中の送還禁止を、一部の複数申請者にたいして、なくそうとしている。だが複数申請者がいるのも、いまの難民認定制度そのものに問題があるからであって、申請者を責めるのは不当である。

 搾取された技能実習生・留学生の一部が、難民申請により、いわば難民申請手続に避難しているという構図がある。だが、技能実習生・留学生の地位で就労する外国人労働者の権利を守るための対策は、政府法案にはまったく含まれていない。


おわりに

 野党の法案は、入管収容問題に精通する法律家が立案に関与しており、真の解決策を提示しえている(資料 立憲民主党ウェブサイト)。これと比べてみても、政府法案が問題の解決を目指していないことは明白だ。

 「外国人の身に生じる法的問題に、入管は何の責任もない。うるさい人権活動家の批判に対処したふりを嫌々しているだけだ。だから我々に出ていけと命令された者は出ていけ。」

 これが法案から透けて見える、入管の本音だ。

 いっさいの譲歩なしに、この入管法改悪案に反対し、これを廃案に追い込まねばならない。


2020年2月22日
柏崎 正憲(SYI 収容者友人有志一同)




# by p-dragon | 2021-02-28 00:00 | 入管収容・入管政策  

Iさん裁判・第2回公判報告(判決は3/19)

Posted on: 2021年 02月 24日


 収容中に入管施設を糞尿で汚したとして逮捕・起訴されてしまったIさんの、第2回の公判が、2月24日15時30分、水戸地裁土浦支所で開かれました。今回は、前回より大きな第一号法廷となり、足を運んだ21名全員(記者含む)が傍聴することができました。

 今回が結審。判決言渡しは、3月19日(金)15時、同じ水戸地裁土浦支所(土浦市中央1-13-12)となります。


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公判の内容

 前回は、牛久の会の田中さんが情状証人として話をしたところで終わりましたが、今回はその続きです。

 最初は被告人質問。まず弁護人、つぎに検察官が、それぞれ約10分ずつ、Iさんに尋問しました。容疑の事実そのものについては、Iさんは争っていないので、事件の背景、動機、現在の心情、いわゆる「再犯のおそれ」等にかんする質問が投げかけられ、Iさんは一つ一つ冷静に答えていました。

 そのあと、裁判官もIさんに質問を投げかけました。入管に戻された場合、同じことをしないのかというのが、坂巻陽士裁判官の質問の主旨でした。Iさんは、問題の医師による虐待がなければ、自分はこんなことをやろうとは考えもしなかっただろうという点を強調したうえで、同じことをしないように努める旨、回答しました。彼は正直な気持ちを吐露しましたが、彼が普段こんなことをする人柄でないという点は、支援者も同感です。

 つぎに検察側による論告と求刑。懲役1年を検察官は要求してきました。これは、建造物損壊の刑罰が罰金刑なし・懲役5年以下であることをふまえると、比較的低い求刑だと思われます。

 これにたいして、弁護人の弁論。Iさんの国選弁護人を務める、篠﨑直樹弁護士(土浦篠﨑法律事務所)は、以下の事情を挙げ、情状酌量(つまり執行猶予、また量刑の軽減)が相当、との意見を述べました。まず、今回の事件の背景、つまり、入管医師による横暴な言動や、それにより彼がすでに事件以前に精神衰弱していたこと、入管収容施設の処遇に一般に問題があることを指摘しました。くわえて、Iさんが債務を(皆さまの寄附のおかげで)完済したこと、逮捕後に彼が冷静になり反省していること等を、つけ加えました。

 最後に、被告人の最終陳述。Iさんは4枚の手紙を書いていましたが、時間が足りなかったため、手紙は提出するだけにして、短く、現在の気持ちを語りました。涙ながらに、関係者には迷惑をかけて申し訳ないと、そして、自分は人生をやり直せると信じていたのに、あの医者に虐められたことで全てがめちゃくちゃにされてしまったと、彼は述べました。


入管はIさんを「反抗的」と印象づけようとしたが…

 一つ特筆したいのは、検察官が尋問で、Iさんが事件以前にも「隔離1回、制止・注意4回の規律違反をおこなった」ことに触れた点です。これは、入管が、検察への報告につけ加えたことです。Iさんを「反抗的」と印象づけ、より重い刑になるように促そうと、入管は考えたのでしょう。

 どうして規律違反したのか。そう検察官は尋ねました。

 Iさんは答えました。制止・注意については、よく覚えていないし、理由は説明されていない。私が理由を教えてほしい。(実際、制止・注意というのは、その場ではっきりと理由を含めて言い渡される処分ではないと思われます。)

 さらに「隔離1回」については、Iさんは驚くべき事情を暴露しました。いわく、隔離のことはよく覚えている。就寝時、電灯が明るすぎるので暗くしてほしいと職員に願い出るも、聞き入れられず、しかし寝つけないので重ねて頼んでいたら、懲罰房(隔離室)に連れていかれた、と。

 たったこれだけのことで、入管はIさんを隔離(事実上の懲罰)したというのです。ひどいというか、呆れてものも言えません。検察官も、この回答にたいしては、二の句が継げなくなり、次の質問に切り替えていました。

 牛久入管は検察をつうじて、Iさんが「反抗的」と印象づけたかったようですが、むしろ逆に、入管収容施設の処遇のひどさを裁判官に印象づけたように思えます。


どんな判決が予想されるか?

 どんな判決が出るか、はっきりした予想はつきません。建造物損壊には罰金刑はないので、無罪でなければ、かならず懲役刑になってしまいます。そして容疑の事実そのものは否認していないので、弁償を済ませたことや、事件の背景にある入管医師の虐待が考慮されたとしても、無罪が出ることは、残念ながらありません。

 そのため、執行猶予をつけてもらうことが弁護・支援の主たる目標です。

 検察側の求刑は1年と、比較的短いものでした。また、さまざまな情状酌量の材料があるので、それを裁判官が公正に評価すれば、量刑はより低くなる可能性も、もちろんあります。とはいえ、どうなるかは判決を見てみないと分かりません。

 少なくとも、情状酌量を促すために可能なことは、すべて実行できました。支援者(「牛久入管収容所問題を考える会」田中さん)を情状証人に立てたことにより、Iさんが入管に戻ってからも継続的な支援が得られること、それゆえに「再犯のおそれ」はないと言えることを、裁判官に示せました。そして何より、皆さまに頂いた寄附(その後「牛久の会」が集めたカンパも合算)のおかげで、入管が突きつけた「被害額」を全額返済することができました。

 公正な決定がなされることを願いつつ、判決日を待ちましょう。




# by p-dragon | 2021-02-24 23:25 | 個人のケース  

動画「なぜ入管法改悪を止めねばならないか」

Posted on: 2021年 02月 14日


 入管法「改正」案が、今週にも、国会に提出されようとしています(2月10日報道)。しかしこれは「長期収容の解消」とは名ばかりの、移民や難民を排除する、入管法 “改悪” です。

 私たち SYI は、他の支援者たちと「入管法改悪反対共同行動」を組織しています。2月17日のデモに先立って、この入管法改悪案の問題点を要約・解説する動画を、当団体メンバー柏崎が作成しました。

 ぜひご覧ください! 拡散大歓迎!


動画「なぜ入管法改悪を止めねばならないか」_e0188516_15540884.jpg

動画URL https://youtu.be/GE0ZkmT1HjA


【原稿】

日本の入管収容問題を知ろう 入管法改悪に反対しよう

 2021年2月14日
 柏崎正憲(SYI収容者友人有志一同)

 原稿を PDF で読む


 日本にも強制収容所があります。入管収容施設です。

 いま入管法が改悪され、入管収容者が、さらに追い詰められようとしています。
 みなさん、入管法改悪反対キャンペーンに参加してください。私は、入管収容者を支援するSYIという団体の、柏崎です。

 入管に収容されるのは外国人です。
 しかし実際に収容されているのは、この社会と関わりの深い移民や外国人労働者、あるいは命の危険を逃れてきた難民です。
 そういう人たちを、ひたすら追放する対象として扱うこと、何年も何年も自由を奪い続けること、それは本当に正しいことでしょうか。


1 入管収容問題の本質

 いま法務省は、長期収容をなくすためと称し、法改悪を狙っています(2月10日報道)。
 しかし、この法案が長期収容を解決するなんて、ありえません。むしろ、入管収容者をさらに苦しめ、さらに虐待するものです。

 入管の言い分は、こうです。入管法を「改正」するのは、「受け入れるべき人を受け入れ、送還すべき人を送還する」ためである。
 しかし入管収容者には、さまざまな帰国できない事情があります。

 日本に長年暮らしてきた。家族が日本にいる。
 日本生まれ。幼少期から日本暮らし。
 帰国すれば迫害される、殺される。
 騙されて、返済できない過大な借金を来日前に負わされた。
 勤め先や日本語学校とのトラブルで、不当にビザ更新を妨害された。等々。

 しかし入管は、こうした事情を無視し、多くの人に送還を命じてきました。

 そして無期限の入管収容は、事実上、送還の手段となっているのです。

 みなさん、強制送還と聞くと、外国人が両腕を職員に掴まれ、むりやり飛行機に乗せられる、そんな様子を連想しませんか。
 ところが日本では、送還対象者の90%以上が「自費」で出国しているのです。

 自費で送還される人の多くは、無期限の収容により苦しめられ、追い詰められ、その結果、耐えきれずに帰国を選びます。
 これでは、まるで収容は、送還を拒む人たちへの、拷問ではありませんか。
 難民条約では、審査中の送還は禁止。でも自費送還なら問題になりません。

 あろうことか収容は、入管にとって、送還の便利な手段になっています。
 だから入管は、長期収容をなくすと言いながら、収容期間に上限を設けることは拒否しているのでしょう。

 長期収容は、人間の心と体を蝕みます。
 急病で死んだり、自殺したりする人が、後を絶ちません。
 抗議のハンガーストライキも続発し、ハンストの末に餓死した人すらいます。
 診察を求めても、長い間放置され、ようやく検査を受けたらガンと判明。そのとたん収容を解かれ、放り出されたという人もいます。
 収容による家族の分断も問題です。親が収容されれば、残された家族は生活に困窮します。子供が児童相談所に送られてしまうことも珍しくありません。

 収容が停止され、仮放免になっても、就労許可もなく、健康保険にも入れず、住民票にも登録されず、法的に存在しない人間にされてしまいます。

 入管のやり方は、国内外から批判されています。
 昨年9月に国連は、入管の長期収容を「国際法違反」と指摘しました。
 全国各地の法律家が、昨年のうちに入管法改悪への反対を表明しています。


2 入管法“改悪”の中身と問題点

 こんなに問題だらけの入管政策が、さらに改悪されようとしています。
 それは、長期収容の解決では、絶対にありえません。

 まず、送還に応じない入管収容者や、仮放免者を、刑務所送りにするために、刑罰を導入しようと狙っています。
 すでに入管は、収容を長期化させたり、さらには仮放免された人を数週間や数か月で再収容したりして、締めつけを強めてきました。
 刑罰は、こうした人々をさらに苦しめ、貶めることに、役立つだけです。

 次に、難民申請者を、審査終了前に送還可能にしようと狙っています。
 難民ではない人が、難民認定制度を「誤用・濫用」するからと、入管は言います。
 しかし、入管が難民認定制度を適切に運用しているかを、まず疑うべきです。

 入管の審査基準は、あまりに厳しく、不透明で、難民認定率は年間1%未満。
 難民認定とは別の在留許可(その他の庇護)を含めても、年間 2%未満しか受け入れておらず、諸外国と比べて最低レベルです。

 難民審査の結果を見直すための「参与員」の制度はありますが、ほとんどの参与員が難民に無知で、偏見すらもっていると疑われます。
 コンゴ難民の女性に「あなたは美人だからレイプされたのでは」と、信じられない侮蔑的な質問をした参与員すらいるのです。

 他方で、難民ではない人が難民申請をする事例もあります。
 しかしその原因は、日本の外国人労働者受入制度そのものにあります。

 いまアジアからの労働者の多くは、実習生や留学生の資格でしか日本で働けず、非常に弱い立場にあります。
 しばしば低賃金労働や、職場でのパワハラやセクハラにあい、しかも勤務先や学校に、在留継続を決める権限を握られていて、たやすくビザをとられてしまいます。
 しかし、手数料や授業料を払うために負った高額の借金を残したままで帰国することはできません。それで、難民申請する人もいるのです。

 このことの原因は、労働者を労働者として受け入れず、弱い立場で働かせ、搾取する、日本の制度にこそあります。

 他方で、この法案は一部の難民申請者に「補完的保護」を与え、一部の非正規滞在者に審査中の「社会生活」を容認すると言います。
 しかし、在留許可や難民認定や仮放免(収容停止)の基準は、従来、理不尽に厳しいものでしたが、この点について法案は沈黙しています。

 一時的に「社会生活」が認められても、審査が厳しいままなら、ほとんどの人は結局、遅かれ早かれ送還を命じられ、収容されるでしょう。
 難民の「補完的保護」については、従来の在留特別許可と、何がどう違うのか、まったく分かりません。

 長期収容をなくすために、本当にしなければいけないのは…
 在留許可の基準を大きく改める、収容期間に上限を設ける。
 外国人労働者を、実習生や留学生ではなく、労働者として受け入れる。
 難民認定の権限を、入管から、人権や難民問題をよく理解する専門家に移す。
 こうした根本的な転換です。

 これは「かわいそうな外国人のためにしてあげること」ではありません。
 国籍が異なる人を、モノのように扱い、利用し、排除することをやめ、この社会を、排除や搾取のないよい社会とするために、私たちがやらねばならないことです。


3 入管法反対共同行動に参加しよう

 いま、入管法改悪に反対する共同行動を、私たちは組織しています。
 共同声明の賛同者を募集中です。ウェブサイトをご覧ください。

 2月17日には、霞が関の法務省周辺で、デモをやります。
 コロナ感染が心配な方には、遠隔での参加を呼びかけます。地元の街頭や ツイッターで、入管法改悪反対を表明してください。

 入管法改悪案を、絶対に阻止しましょう!




# by p-dragon | 2021-02-14 15:24 | 入管収容・入管政策