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3月末に亡くなった牛久入管の収容者2名にかんする続報




茨城・牛久の入管収容所で収容者2人が死亡した件について、6日までの報道を下に引用しています。

毎日4日の記事では、司法解剖の結果が報道されています。
「牛久署は3日、東日本入管センターで死亡したイラン人男性(33)の死因について、食事をのどに詰まらせたことによる低酸素性脳症だったと発表した。また、カメルーン人男性(43)の死因は「事件、事故の可能性がない」として公表しなかった」とのこと。

「事件、事故の可能性がない」とは、しかしながら、このカメルーン男性の死にたいして、牛久入管(東日本入管センター)に責任がないことを、決して意味しません。

第一に、わたしたちが先の記事で書いたような、最悪と言っていい医療環境に、牛久を含めた日本の入管収容所は常日頃からあること。以下の記事でも、そのような医療環境の問題の一端が報道されています。

第二に、東京6日および毎日3日の記事で紹介されている収容者や支援者の証言によれば、カメルーン男性は以前から糖尿病で、適切な治療を必要としていました。とりわけ、容体が悪化してからも、入管はかれを外部の医療機関に連れていきませんでした。「収容者によると、先月30日に死亡したカメルーン人男性は2カ月前から体調不良を訴え、外部の病院での診察を求めていた。しかし、希望がかなえられないまま、先月27日に容体が急変。収容者らが職員に抗議をしたところ、「必ず病院に行かせる」と約束したにもかかわらず、センター内の診療室へ移されただけで、30日に意識不明になるまで救急搬送されなかったという」(毎日3日)。

このカメルーン男性が、事故ではなく病気の結果として亡くなったのは、たしかでしょう。しかしながら、入管に収容されていなければ、彼はとっくに適切な医療を受けることができたでしょうし、おそらく命を落とすこともなかったでしょう。だとすれば、間接的にではあれ、牛久入管は彼を殺したのだと言えます。

「食事をのどに詰まらせたことによる低酸素性脳症」で亡くなったイラン男性も、決して健康とはいえない状態にありました。わたしたちが面会したさいには、ヘルニアや、耳から水が出ていることなどを訴えていました。しかも、収容所の医師には例によって、睡眠導入剤や痛み止めのようなその場しのぎの薬しか与えられていませんでした。別の収容者が牛久の会に証言したところによれば、かれは最近では「肩を支えないと歩行はふらつき日中ボーッとしている状態」で、「睡眠導入剤、抗うつ剤、痛み止めの過剰投与による弊害が顕著だった」といいます。かれが「食事をのどに詰まらせ」るような事故を誘発しやすい衰弱した状態にあったことは明白ですが、牛久入管はかれに適切な治療の機会を与えなかったどころか、でたらめな薬の処方により、かれの健康状態をさらに悪化させた恐れすらあります。

学校であれ病院であれ、公的または準公的な機関で人が命を落とすことがあれば、当の機関じしんが記者会見などで事態を公的に説明し、少しでも責任があれば謝罪し、原因究明や再発防止を約束するはずですし、公権力による捜査や法的手続きを受けることになるはずです。入管がこの程度の報道だけで済まされ、公的に釈明することすらしていないという事態は、はっきり言って異常です。入管への責任追求の声を高めるべきことを、わたしたちは訴えます。



--- 以下引用 ---


【社会】 入管施設 「医療」に不備 収容2外国人 相次ぎ死亡


東京新聞 4月6日 朝刊 http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014040602000120.html

 強制送還の対象となった外国人が収容されている法務省東日本入国管理センター(茨城県牛久市)で三月末、四十代のカメルーン人男性と三十代のイラン人男性が相次いで死亡した。関連や事件性はなく、センターは「適正な救命措置を講じた。処遇上の問題はない」としているが、収容者の支援団体や弁護士から「医療体制が不十分だ」と批判の声が上がっている。 (妹尾聡太)

 センターによると、カメルーン人男性は三月三十日午前七時ごろ、一人部屋で意識を失っているのを見回り中の職員が見つけ、一時間後に搬送先の病院で死亡した。二十七日に体調不良を訴えてセンター内の非常勤医師の診察を受けたが、「重篤でない」と判断されていた。

 一方、イラン人男性は二十八日午後七時五十分ごろ、夕食をのどに詰まらせて窒息し、搬送先の病院で翌日午後に死亡した。

 センターには常勤医はおらず、非常勤医が来るのは平日の午後一~五時のみ。いずれのケースも施設内に医師は不在だった。

 救急車が到着するまで職員が心臓マッサージなど救命措置を行っており、センターは「対応に問題はなかった。偶然にも不幸な事案が続けて発生した」と過失を否定している。

 しかし、ボランティアで、収容者に面会や差し入れをしたり、仮放免の手続きを助言したりする支援者らは、医療が不十分だと指摘。支援団体「牛久の会」代表の田中喜美子さん(61)によると、カメルーン人男性は糖尿病を患っていたが、治療の機会を制限された。田中さんが男性と同室の収容者に面会して聞いた話では、男性は以前から外部の病院での治療を申請していたが許可されず、三月末には自室内を歩くのも困難なほど体調が悪化していたという。

 センターは「重篤な患者を放っておくことはない」と話すが、非常勤医が待機する平日午後のみでは急患対応は難しい。主に難民事件を扱い、二人の相談に乗っていた大川秀史弁護士は「弁護士が求めれば外部で受診させてくれる場合があり、協力的な職員もいる」と評価しつつ、「医師の二十四時間常駐が必要だ」と医療体制の充実を訴える。

 時には一年以上にわたる長期収容や、施設の閉鎖性も健康の悪化要因とみられている。「迫害から逃れてきた」と主張していたカメルーン人男性は、昨秋の入国時に成田空港で拘束され、センター収容は半年に及んだ。強制送還の対象となったが、難民申請をしていたという。大川弁護士は「刑務所でもないのに居室は外から施錠され、窓の外も見えない。そんなところに長期間いれば心身ともにめいる」と懸念し、仮放免を認めやすくするなどして、収容期間を短縮するよう主張している。

◆病状悪化 自殺…以前から問題

 東日本入国管理センターでは、過去にも収容された人の病状悪化や自殺があり、心身ともに過酷な環境が問題になってきた。

 近年では二〇一〇年にブラジル人と韓国人の男性二人が自殺。収容されている外国人の支援団体「牛久の会」代表の田中喜美子さんによると、ほかにも自殺未遂をして入院した人や、仮放免後に持病を悪化させて死亡した人がいた。田中さんは、十分な医療を受けられないまま、収容が長期に及ぶことが要因だとみているが、医療の不備を背景として収容中に死亡したと疑われる事例は「今回が初めてだろう」と語る。

 「なかなか医者に診てもらえない」「外の病院に行きたい」。支援者が収容者と面会すると、いつも医療への不満が挙がる。国籍や文化の違う者同士が数人の相部屋で寝起きするため、ストレスがたまって不眠に陥り、精神疾患にかかる人もいるという。

 支援団体はこれまでも処遇の改善を訴え、収容者もハンガーストライキなどで度重ねて抗議してきた。今回のカメルーン人男性らの死亡は、そうした抗議が続く中で起こったものだった。

<東日本入国管理センター> 不法残留など入管難民法違反容疑で摘発され、強制送還を命じられたが「本国で迫害される」「日本に家族がいる」といった理由で送還を拒否する外国人の収容施設。定員700人で、現在約300人が収容されている。刑罰目的でないため収容者は外部と通信もできるが、自由は制限される。一時的に拘束を解く仮放免の制度もある。



東日本入管センター:2外国人死亡 長崎でも常勤医不在 支援団体、内部診療の充実を /茨城
毎日新聞 2014年04月04日 http://mainichi.jp/area/ibaraki/news/20140404ddlk08040199000c.html

 東日本入国管理センター(牛久市久野町)で外国人2人が死亡した問題で、大村入国管理センター(長崎県大村市)でも常勤医が不在だったことが、同センターへの取材で分かった。全国3カ所の入管センターのうち2カ所で常勤医が不在となっており、支援団体は「収容者は外部で自由な診療が受けられない。内部診療を充実することが必要だ」と指摘している。

 入管センターは東日本、大村のほか、西日本(大阪府茨木市)の3カ所があり、西日本は唯一、医師が常勤している一方、東日本は平日午後1〜5時、大村では毎週金曜日午前9時〜正午の診療だけにとどまっている。大村入管センターは「長崎は離島が多く、各地に派遣されている医師も多いので、なかなかセンターで診療してくれる医師が見つからない」と説明する。

 これに対し、難民支援などに取り組む市民団体「RINK」(大阪市中央区)の草加道常さんは「外部の病院で診療を希望しても、随行する職員が限られており、症状が重い外国人が優先になる。待っている間に重症化する人もいる」と改善を求めた。

 一方、牛久署は3日、東日本入管センターで死亡したイラン人男性(33)の死因について、食事をのどに詰まらせたことによる低酸素性脳症だったと発表した。また、カメルーン人男性(43)の死因は「事件、事故の可能性がない」として公表しなかった。【中里顕、土江洋範】



東日本入管センター:2外国人死亡 医師常駐せず 支援団体、改善求め申し入れ /茨城
毎日新聞 2014年04月03日 http://mainichi.jp/area/ibaraki/news/20140403ddlk08040078000c.html

 不法滞在などの外国人を収容する法務省の東日本入国管理センター(牛久市久野町)で先月下旬、イラン人とカメルーン人の男性2人が相次いで死亡した問題で、センターの医療体制の問題点を指摘する声が上がっている。センターに常駐の医師がおらず、外部受診を希望しても長期間待たされるケースがあるという。支援者団体は2日、改善を求めた申し入れ書をセンターに提出。一方、牛久署は3日に司法解剖して2人の死因を特定する。【土江洋範、中里顕】

 同センターには2日現在、297人が収容されている。センターによると、医師は常駐せず、木曜を除く平日午後1〜5時に外部から医師1人が派遣されている。看護師も夜間や土日は勤務していない。毎日新聞の取材に応じた元収容者らによると、センター内や外部の病院で診療を希望しても希望者が多いため、数カ月待ちの状況が続いているという。

 ペルー人の元収容者の女性(53)は、虫歯の治療申請をしてから1カ月後にようやく治療を受けることができた。前歯6本を抜いたが、歯茎から出血し、痛みのあまり食事がとれず、夜も眠れなかった。「早く対応してほしかった。人権が守られていない」と訴える。あるブラジル人収容者は「このままでは何人死んでもおかしくない」と諦めの表情すら浮かべる。

 収容者によると、先月30日に死亡したカメルーン人男性は2カ月前から体調不良を訴え、外部の病院での診察を求めていた。しかし、希望がかなえられないまま、先月27日に容体が急変。収容者らが職員に抗議をしたところ、「必ず病院に行かせる」と約束したにもかかわらず、センター内の診療室へ移されただけで、30日に意識不明になるまで救急搬送されなかったという。

 難民問題に関心の高い市民らでつくる「牛久入管収容所問題を考える会」は2日、医師の常駐や早期の外部受診希望をかなえることを求めた申し入れ書をセンターに提出した。センターは「申し入れ書で書かれている内容の事実確認をしたうえで、改善できるものがあれば対応していきたい」としている。

 難民問題に取り組む大川秀史弁護士(東京弁護士会所属)は「長期間、同じ空間に閉じ込められていると精神的・肉体的に健康を害する。24時間対応できる医療体制を整えるべきだ」と指摘している。
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by p-dragon | 2014-04-06 10:35 | 入管内からの声