東京入管の収容者の証言(2017.4-9)

 以下は、本会メンバーが今年4月から9月のあいだに面会した​、東京入国管理局の収容者からの証言です(個人名は無作為にアルファベットに置き換え)。

 9月29日、東京入管の処遇部門で責任者を自称するタニタ(職員番号B901)は、本会メンバーからの質問にたいして、当局職員はつねに「人道」を心がけている、収容者をいじめたり悪い言葉を使ったりはしていない、病気の申告は「詐病であっても」すぐに病院に連れていく、と回答しました。しかし以下にみる証言からは、まったく異なる実態が伺えます。

 現在、​とりわけ深刻なのはAさんです。9月29日午後、Aさんは3回目の仮放免申請を却下されたショックで、シャンプー液を300CC飲み込んで自殺を図り、病院に搬送されました。命に別状はありませんでしたが、収容所に戻されると、隔離房(事実上の懲罰房)に閉じ込められ、さらにはそのさい結婚指輪を(預かりとして)奪い取られました。

 これが当局職員タニタ氏の言う、入管の「人道」配慮の中身です。東京入管では――他の入管収容所でもそうですが――いつまた自殺や死亡事件が起きてもおかしくありません(先月末には、2014年の死亡事件の遺族が提訴しました)。

 本会では抗議キャンペーンを続けています。ともに抗議の声をあげてください。

 東京入国管理局への抗議アクション(2017.10.12予定)
 牛久入管元所長の免職を求めるキャンペーン(2017.5.6から継続中)

 
1 収容の理由、経緯

 入管に収容される理由は、形式的にいえば、難民申請の不認定、離婚、刑法犯などにより在留資格を失ったこと、超過滞在の摘発、仮放免の許可条件への違反などですが、個々人の具体的な事情はさまざまです。たとえ刑法犯で有罪になった人でも、日本から離れられない事情をもつ人は多くいますが、そうした人々がすでに刑期を終えたにもかかわらず、入管施設に無期限に収容することは、不当な人権侵害です。

  • Fさん 10年近く、難民申請による特定活動の在留資格をもっており、法律を守って問題なく生活していたが、在留資格を6か月更新から4か月更新に短縮され、最終的に取り消された。取消のさい、入管職員に「あなたは、この建物を出たらオーバースティだから」と言われ、法律違反になりたくないと嘆願したが受け入れられなかった。
  • Mさん 日本に27年居住。永住資格をもっていたが、仕事が見つからず借金が増えるなか、麻薬の取引の仕事を唆された。逮捕され、裁判をへて刑務所に服役後、そのまま東京入管へ。もはや本国に帰る場所はない。

2 医療上の問題

  • Aさん 2016年12月頃に収容。今年6月4日、盲腸が発覚。前日、腹痛を訴えるも職員に放置され、苦痛と怒りから壁を叩くと、約6人の職員に独房へ連れていかれ、二度と逆らうなと脅された。しかし翌日、流血のため高輪病院へ運ばれ、盲腸と診断。手術後、入管により退院予定日より1日早く退院させられ、抜糸や消毒は自分でやれと告げられる。退院後も傷口から膿が出て腫れている。7月21日、階段で倒れる。8月2日の面会時には、収容前から9キロやせ、食事は一日一回しか取れないと語る。9月12日におう吐、翌日の面会では、傷口から血が出ていると語る。
  • Dさん 片頭痛、非特異的胸痛症、家族性コレステロール。8月の時点で、収容時より13キロ痩せた。病状を訴えるも、家族の遺伝だからしかたがないと職員に言われ、放置されている。
  • Lさん パニック障害、うつ病。独房に移されたため、発作が起きても、ベッドから起き上がらないと緊急ボタンが押せないので大変。薬が効かない。

3 施設環境の問題、職員によるハラスメント


  • Aさん 職員B1072(眼鏡の男性、無精ひげ)にいじめられる。収容者に「お前!」と圧力をかける。逆らうとすぐ大勢の職員で独房に引っ張りこんで脅しをかけてくる。
  • Hさん 送還(デポーテーション)担当と呼ばれている職員がいる。仮放免申請が却下されてから2日から3日後に個室に呼び出してきて、最初は優しく、帰るように促すが、だんだん怒ってくる。こちらが怒り返すと脅してくる。また、収容施設内の職員は日本語が出来ない人をいじめる。
  • Jさん 職員B795、B1095、B596は収容者をいじめる。朝の点呼時、座り方が悪いと難癖をつけられるが、我慢するしかない。そもそも毎朝、点呼にくわえて顏のチェックをされる意味が分からない。
  • Hさん 朝9時の点呼で、同じブロックの全員、約40人の点呼が終わるまで座って待たねばならない。その間、水を飲むこともトイレも禁じられる。意味がわからないから不満。

4 全面禁煙について

  • Bさん 6月に収容施設内が全面禁煙になったことに抗議して、21日に約25人が帰室拒否。その日のうちに制圧され、翌日、彼を含む3名がリーダーと見なされて、それぞれ独房に移される。7月18日の面会時には、体重が72キロから64キロに落ちたと告げる。精神的に憔悴し、入管当局や日本への強い恨みを吐露する。8月、精神病院に一時入院。その後、入管に戻されたが、精神安定剤を処方されており、また記憶力が低下するなど状態はますます悪くなっている。
  • Eさん 自分は煙草を吸わないが、たばこ禁止は日本中で決まったのかと思っていた、入管収容者だけなんてずるい、みんなをストレスにさせてケンカさせることが目的みたいだ、との談。
  • Fさん(追記10月11日) 全面禁煙の実施直後、被収容者同士の喧嘩が激増し、懲罰房(隔離房)がいっぱいになった(9月4日談)。

5 給食の問題

  • Eさん 8月24日の面会では、食べ物が古くてお腹を壊したと報告。
  • Gさん 食べ物が臭いという感想。
  • Hさん 魚が腐っていたので職員に伝えたところ、業者に注意すると返答した(8月24日談)。いつも食事はサンマ、サバばかりで、冷めていて固い。食べたくないのでプロテインでしのぐ。




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by p-dragon | 2017-10-03 09:26 | 入管内からの声  

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