入管収容者の死亡事件(2014年)について遺族が提訴

 2014年3月の東日本入国管理センターでの死亡事件(医療が必要な状態なのに放置されたせいで、2名が2日連続で死亡した)のうち、カメルーン国籍男性の遺族が、先月末、国家賠償を求めて提訴したと、きのう報道されました。

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 以下の記事1は、児玉晃一弁護士のコメントを「繰り返される入管の死亡事故を止めたい」と要約していますが、人が病気で苦しんでいるのに無視して監禁を続けた結果なのですから、これは入管の間接的な殺人と言ってもよく、少なくとも一般には過失致死の疑いで徹底的に調査されるべき事件です。

 裁判に注目してください。

--- 以下転載 ---

【記事1】
入管収容中にカメルーン人男性死亡 遺族が国など提訴
http://www.asahi.com/articles/ASKB24SLJKB2UTIL00Z.html

 2017年10月2日 朝日新聞デジタル 後藤遼太 

 2014年に東日本入国管理センター(茨城県牛久市)に収容中のカメルーン人男性(当時43)が死亡したのは、センターの医療態勢の不備が原因だったとして、男性の70代の母親が国と当時のセンターの所長に1千万円の国家賠償を求めて水戸地裁龍ケ崎支部に提訴した。提訴は9月27日。

 2日に会見した弁護団の児玉晃一弁護士は「センターは男性が体調不良を訴えたのに放置した。繰り返される入管の死亡事故を止めたい」と話した。カメルーン在住の遺族から相談があり、提訴に至ったという。

 訴状や児玉弁護士によると、男性は14年3月30日朝、センターの休養室で意識不明で発見され、約1時間後に死亡が確認された。死亡の2週間前から両足の痛みを訴えて非常勤医の診察を受けた。同29~30日にはベッドから落ちて苦しむ様子などが監視カメラに記録されていたが、センターは医師に相談していなかった。国は今も死因を明らかにしていないという。

 法務省入国管理局は「内容を検討して適切に対応する」とコメントした。

 男性の死亡をめぐっては、法務省が14年11月に医療態勢に問題があったと発表。土日で非常勤医がおらず、外部の医師に相談しなかったことなどを明らかにしていた。


【記事2】
入管収容のカメルーン人「死にそう」と訴えるも放置され死亡…遺族が国を提訴
https://www.bengo4.com/kokusai/n_6744/

 2017年10月2日 弁護士ドットコム

 法務省入国管理局の東日本入国管理センター(茨城県牛久市)で2014年3月、収容されていたカメルーン人男性(当時43)が「死にそうだ」と、身体の痛みを7時間以上訴えたにもかかわらず、放置されて亡くなる事件が起きた。

 この事件をめぐって、カメルーン在住の母親が、国と当時のセンター所長を相手取り、1000万円の損害賠償を求めて水戸地裁龍ケ崎支部に提訴した。遺族側代理人が10月2日、東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見を開いて明らかにした。提訴は9月27日付。

●男性は「I'm dying」と声をあげた

 遺族側代理人によると、この男性は2013年10月、成田空港に到着して、すぐに入管施設に収容された。男性が入国した理由は不明だという。同年11月、茨城県牛久市にある東日本入国管理センターに移されたあと、施設内の診療を受けて、糖尿病など病気を患っていることもわかっていたという。

 事態が急変したのは、2014年2月下旬から。男性はこのころから繰り返し、身体の痛みを訴えはじめ、同3月27日には血液検査を受けた。さらに3月29日にも、胸の痛みと不眠を訴えた。同日午後7時ごろからは、苦しみもがきながら「I'm dying」(死にそうだ)と声をあげたり、ベッドから落ちて、床の上を転げ回るなどしていた。

 30日午前3時から職員が気づくまでの約4時間、男性はベッドの下方で仰向けになったまま、ほとんど動かなくなっていたという。30日午前7時ごろ、センターの職員によって、男性が心肺停止状態にあることがわかり、救急搬送されたが、その後死亡が確認された。

 男性の死因は明らかになっていない。彼が苦しむ様子は、部屋に設置されたビデオで撮影されており、職員が観察していたが、29日の動静日誌には「異常なし」と記録されていた。結局、血液検査を受けた3月27日から亡くなるまで、医師による診察を受けることはなかった。

●遺族側代理人「入管の医療体制がまったくなっていない」

 法務省は2014年11月、この事件に関する調査結果を報道機関向けに発表した。この中で、法務省は、(1)外部委託検査による迅速回答指示が徹底されていない(2)死亡前9日間における容態観察と対応が十分でない−−と結論づけている。

 遺族側代理人の児玉晃一弁護士が把握しているだけでも、1997年以降、入管施設内で同様の死亡事件が7件も起きているという。児玉弁護士は会見で「入管の医療体制はまったくなっていない」と指摘。「職員は、自分の家族が同じように苦しんでいても、救急車を呼ばないのか。(収容されている人を)人間として見ていないんじゃないか」と怒りを口にした。

 法務省入国管理局は、弁護士ドットコムニュースの取材に対して、「現在、訴状の送達を受けていないが、訴状の送達を受けた場合には、その内容を検討して、適切に対応する」とコメントした。




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by p-dragon | 2017-10-03 08:51  

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