【パンフレット】 日本も難民を受け入れよう!

私たちのパンフレットの内容をブログにも掲載します。ぜひ読んでください!
なお、パンフレット末尾の声明は、すでに以下に掲載しました。
【声明】 深まる難民危機──日本は何をするべきか

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【パンフレット】 日本も難民を受け入れよう!

作成日: 2015年10月11日

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日本にも難民は来ているの?

はい。2008年以降、日本に来る難民申請者の数は年間1000人を超えています。しかし、正式に難民認定された人の数はとても少ないのです。2014年は、難民申請者5000人に対して、わずか11人しか認定されませんでした(たった0.2%)! つまり、日本はほとんど難民を受け入れていません。

こんなことが起こる原因は、難民申請を審査する機関が、日本では法務省入国管理局であることです。入管の業務は「日本にとって好ましくない外国人」を選別・排除することであり、常に外国人に対して疑いの目を向けています。そんな入管が、難民審査を同時に担当しているという矛盾があります。

また入管では、難民申請者なども含む、正規の滞在資格がない人に対する無期限の拘留や、職員による暴行など、さまざまな人権侵害と自由の剥奪が常態化しています。人権擁護の観点から、入管行政を変えていく必要があります。

日本は1981年に、「難民条約」に加入しています。「かわいそうな人びとを助ける」ためではなく、国際的な約束を結んだ責任・義務として、日本がきちんと難民を受け入れることを、私たちは求めます。


危険な海を渡る難民たち

いま、数十万の難民が中東やアフリカから欧州に流入しています。2011年に北アフリカ諸国の政権が崩壊した時期から、地中海をギリシャやイタリアに向けて渡る難民が増加しました。

このため、地中海でボートごと沈み、命を失う難民が年々増えています。ボートを手配するブローカーは、粗末なボートに難民をすし詰めにして危険な航海をさせています。

その一方、EU諸国が難民の流入を防ぐために、海上での取り締まりを強化しているため、難民たちの航海はますます危険なものになっています。

また、EUでは加盟国内で最初に難民が上陸した国(たとえばギリシャ)に受入の責任をすべて押しつける体制になっており、これもまた難民受入を拒否する方向にはたらいています。今年になり、EUが難民対策を見直す動きを見せていますが、受入拡大に向けた改革の動きはまだまだ進んでいません。

いま難民は、出身国で迫害されるだけでなく、避難先でもしばしば「侵入者」や「取り締まりの対象」として扱われ、危険な目に合わされています。

わたしたちはこのような難民に冷たい国際社会を、変えていかなければなりません。


国際社会の責任は?

難民は、戦争・紛争・社会の荒廃によって生み出されます。しかし、責任があるのは紛争の当事国だけでありません。

いま多くの難民が流出しているシリアの情勢は、欧米など諸外国政府からの干渉、中東諸国からの戦闘員や武器・資金の流入、紛争を煽るようなメディア報道などによって悪化してきました。

シリアでは、2011年はじめに市民がアサド政権の政治改革を求めて街頭に出ていました。シリア政府が力づくで弾圧する一方、反体制側でも武装勢力が台頭し、まもなく政府軍と反体制派(自由シリア軍)による、市民を巻き込んだ殺し合いの構図になってしまいました。

ところが欧米メディアでは「独裁政権・対・市民」や、「政府の一方的な虐殺」といった報道が、きちんとした検証もなしに飛び交いました。

さらに2012年以来、「イスラム国」やヌスラ戦線など、アルカイダ系の武装勢力が国外から参戦しています。彼らは湾岸アラブ諸国から資金提供を受けていると見られています。その一方、欧米諸国やトルコは、反体制派への武器提供を公式に始めました。

こうした、外部からの介入が、紛争を煽り、泥沼化させてきました。シリアに限らず、大国がより小さな国に武力で介入したり、言論であおったりすれば、平和も民主主義も遠のいてしまいます。ここに、今の難民危機の原因があるのではないでしょうか。
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「偽装難民」がいるから受け入れない?

日本ではなかなか難民受け入れが進まない背景に、マスメディアによる偏向した報道があります。たとえば、今年はじめに読売新聞で「偽装の難民申請が増えている」という報道キャンペーンがありました。入管はこうした申請があるために難民の基準を厳しくせざるをえないとしていますが、問題の根源はこの「偽装難民」問題にはありません。

日本は表向き「外国人単純労働者を受け入れない」としている国です。しかし実際には、街でも、工場でも、農村でも多くの外国人が働いています。その多くは「労働」ではなく「技能実習生」というビザで来ています。

この技能実習の制度では、労働基準法が適用されません。そのため、場合によっては時給300円となるような極端な低賃金や、休日をほとんど与えられない長時間労働、寮からの外出禁止などの人権侵害がまかり通っています。

こうした境遇にある人たちの一部が、少しでも人権が守られる環境で働くために、難民申請をしているというケースがあるようです。

このように、本来は難民の定義にあてはまらない人が難民申請を行っていたとしても、その原因は、人権を無視した技能実習制度にあります。
国が人権侵害の温床を作っておいて、その被害者が生き延びようとすれば、「偽装難民」として悪者扱いする、という構図です。

奴隷的な外国人労働の温床になってしまっている技能実習生制度は廃止しなければなりません。


日本の責任

「日本は平和で、人権が保障されている国」だと思っている人も多いと思います。しかし、世界で発生している難民を引き受けて、できるだけ多くの人の人権を保障するための「難民条約」に加入しているのに、全然難民を受け入れようとしていません。

また、よく言われる「平和国家」についても、事実に反しています。

シリア情勢が諸外国の介入で悪化してきたことは説明しましたが、日本もまた、外国に対する軍事力による介入を始めています。自衛隊は、イラク戦争ではアメリカ軍の指揮下で「後方支援」をおこない、ソマリアでも米軍などと協力して軍事行動をおこなっています。また日米安保条約により、米軍の他国への攻撃(朝鮮戦争やベトナム戦争など)を支援してきました。

また、日本政府は武器輸出も解禁し、パレスチナで不当に占領・入植を行うイスラエルなどに兵器を売って儲けようとしています。最近の安保法制の強行採決によって、日本はますますアメリカと密着し、より弱い国の人びとを武力で抑圧しようとしています。

日本は、世界有数の規模をもつ軍隊を「自衛隊」と呼んでごまかし、米軍駐留の社会的な負担を沖縄に押しつけてきました。建前と実態に、大きなへだたりがあるのです。

現実主義の名のもとに「普通の国家らしく軍を肯定しよう」とか、「自衛隊を平和の軍隊として活用しよう」という意見が聞かれます。しかし、難民問題の視点から見れば、今まで戦争や軍事介入こそがつねに難民を生み出してきました。

難民の受け入れを求めるのはもちろんですが、武力を使ったり、戦争を煽る、日本を含めた先進国の政策に反対することもまた、平和を尊重する人々の責任ではないでしょうか。
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by p-dragon | 2015-10-14 08:58 | 声明・情報・考察  

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